インデックス投資は、シンプルで長期的に資産を増やすのに適した方法です。
初心者でも安心して始められるという点が、大きな魅力でもあります。
しかし、その第一歩となる「アセットアロケーション(資産配分)」の決め方が分からずに迷っている方も多いのではないでしょうか。
どの資産をどれだけ持てばよいか、正解が分からないという不安は誰にでもあります。
この記事では、初心者向けにアセットアロケーションの基本と参考事例を詳しく解説し、自分なりの資産配分を見つけるためのヒントを紹介します。
アセットアロケーションとは?投資の土台をつくる考え方
アセットアロケーションとは、資産を株式・債券・不動産などにどう配分するかを決める投資戦略のことです。
この配分比率によって、リスクとリターンのバランスが大きく変わります。
インデックス投資においても、このアセットアロケーションが将来の成績に大きく影響します。
最適なアセットアロケーションは人それぞれですが、重要なのは「自分のリスク許容度に合った配分」を見つけることです。
たとえば、リスクを抑えたい人は債券の比率を高くし、積極的に資産を増やしたい人は株式の比率を上げる傾向があります。
- アセットアロケーションは投資の基礎
- 自分のリスク許容度に合わせて設計
- 定期的な見直しが重要
公的機関GPIFのアセットアロケーションを参考にする
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、日本の公的年金を運用している組織です。
長期的かつ安定したリターンを目指したポートフォリオ設計は、インデックス投資家にとっても参考になります。
表1:GPIFの基本ポートフォリオ(2020〜2024年度)
資産分類 | 構成割合 | 乖離許容幅 |
国内債券 | 25% | ±7% |
外国債券 | 25% | ±6% |
国内株式 | 25% | ±8% |
外国株式 | 25% | ±7% |
GPIFの実績を見ると、2001年度から2024年度第3四半期までの年率収益は約4.40%。
極端なリスクを取らずに安定運用しているのが分かります。
- 公的年金の運用モデルが参考になる
- 分散が効いた安定型ポートフォリオ
- 自分の投資目的に応じて応用可能
楽ラップの5タイプから自分に合ったスタイルを探る
楽天証券のロボアドサービス「楽ラップ」は、5種類の運用スタイルを提供しており、初心者が自分の投資スタイルを考える上でとても参考になります。
表2:楽ラップのスタイル別特徴と利回り(2016〜2024年)
スタイル | 特徴と利回り(2016〜2024年) |
保守型 | 慎重派向け:年率2.9〜3.0% |
やや保守型 | 攻守バランス型:年率4.9〜5.0% |
やや積極型 | リスクも収益も取りたい型:年率7.0〜7.1% |
積極型 | 高収益志向型:年率8.8〜8.9% |
かなり積極型 | とことん増やしたい型:年率10.4〜10.5% |
このように、自分の投資スタイルに合わせてアセットアロケーションを選ぶことができます。
なお、DRC機能(下落ショック軽減機能)の有無も選択可能です。
- スタイル別に構成比率とリターンが明確
- ロボアドの設計を手本にできる
- 保守型〜積極型まで幅広く選べる
筆者が参考にしているアセットアロケーション
初心者はここまで読んだ時点で、自分に合ったスタイルが少しずつ見えてきたかもしれません。
筆者自身は「楽ラップ」の「かなり積極型」のアセットアロケーションを参考にしています。
理由は、将来的に最も資産が増えそうと直感したからです。
「かなり積極型」は株式中心ではありますが、債券やREIT(不動産投資信託)もバランスよく含まれており、極端にリスクの高い構成ではありません。
S&P500一本集中投資と比べると地味に感じるかもしれませんが、分散が効いているという安心感があります。
初心者がいきなり米国株100%にするのはハードルが高いと感じる人にもおすすめです。
- 筆者は「かなり積極型」を参考に構築
- 米国株集中より分散型を好む
- 投資初心者でも取り組みやすい構成
アセットアロケーション設計に便利な無料ツール
「myINDEX 資産配分ツール」は、アセットアロケーションを設計する際に非常に役立ちます。
構成比を入力すると、リターン・リスク・シャープレシオを自動で計算してくれます。
このツールは無料で会員登録不要でも使用可能ですが、会員登録すると複数のパターンを保存して比較できます。
実際の運用方針を固める前の試行錯誤にぴったりです。
操作も簡単で、スマホやPCから手軽に使えるのも嬉しいポイントです。
- 無料でリスク・リターンを見積もれる
- 複数の配分を保存して比較できる
- 操作がシンプルで初心者にも優しい
正解より「納得」を目指そう
アセットアロケーションには絶対的な正解は存在しません。
自分のライフスタイルや投資目的に合わせて柔軟に考えることが大切です。
だからこそ、自分なりに納得できる構成を見つけることが大切です。
GPIFや楽ラップのように参考になる実例はありますが、それをそのまま真似るのではなく、自分の年齢・目標・リスク許容度に合う形に調整しましょう。
ツールを使った試算や、過去のリターン比較なども参考にしつつ、焦らず柔軟に考えることが、長く続けられるインデックス投資につながります。
一歩ずつ、着実に資産を築いていく道を楽しみましょう。
まずは自分のアセットアロケーションを作ってみよう
アセットアロケーションは、投資の出発点であり、最も重要な要素のひとつです。
まずは簡単な構成でも良いので、自分で作ってみることをおすすめします。
GPIFや楽ラップ、myINDEXのような参考例を活用すれば、誰でも無理なく始められます。
自分で考えた構成に納得できれば、それがあなたにとっての「正解」です。
必要に応じて見直しながら、長期目線で投資を続けましょう。
自分の未来のために、今こそ行動を起こすときです。
参考リンク:
※投資商品を選ぶ際は、手数料やリスク、流動性などを十分に確認したうえでご判断ください。