会社を辞めたあと、健康保険をどうするかというのは、退職者にとって最初に直面する大きな課題の一つです。
私自身、退職後1年目は任意継続健康保険を選びましたが、2年目に入るとその保険料がかなりの負担になってきました。
「これは見直さないと生活に響くかもしれない」
そう思って、試しに国民健康保険へ切り替えた場合の保険料をざっくり計算してみたところ、なんと25万円以上の差が出ることが判明。
そこから実際に切り替えを決意し、手続き、納付、そして実際の金額の確認まで行いました。
本記事では、その一連の流れを初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
退職後の健康保険について考えている方の参考になれば幸いです。
退職2年目で保険料の差を実感
退職後の健康保険の選択肢として、任意継続と国民健康保険のどちらを選ぶかで迷う方は多いと思います。
私もまさにその一人で、退職後2年目に入るタイミングで大きく見直すことにしました。
理由は単純で、保険料の差があまりにも大きかったからです。
試算では、次のようになりました。
表1:保険の種類ごとの年間保険料比較(退職2年目)
保険の種類 | 月額保険料 | 年額保険料 |
任意継続健康保険 | 35,400円 | 424,800円 |
国民健康保険 | 13,950円 | 167,400円 |
差額 | – | 約257,400円 |
- 各市区町村で保険料に差がある
- 年間所得で金額が大きく変わる
- 扶養家族がいるとさらに変動する
切り替えは退職翌年4月が狙い目
切り替えを決めたのは、「退職2年目の4月」。
なぜ4月かというと、国民健康保険の保険料は毎年4月から新年度扱いになり、前年の所得をもとに計算されるからです。
つまり、退職1年目はまだ所得が高かったかもしれませんが、2年目になると大幅に下がっている可能性が高いため、保険料もグッと下がるわけです。
- 退職翌年4月が切り替えの狙い目
- 任意継続は保険料が一定
- 所得が下がった後は国保が有利
任意継続のやめ方と注意点
国民健康保険に切り替えるためには、まず任意継続保険の資格を失う必要があります。
当時の私の場合、脱退する方法は「保険料を未納にする」しかありませんでした。
ただし、自動で引き落とされる設定にしていたため、振替日前日に普通預金を定期預金に一時的に移すという少し手間のかかる対応が必要でした。
しかし今はもっと簡単です。
2022年10月から「やめたい」と申し出るだけでOKになりました。
- 昔は未納が必要だった
- 今は申出だけで脱退可能
- 脱退日は確認しておく
国保の保険証を取得する手順
任意継続保険の資格を失うと、協会けんぽから「資格喪失証明書」が届きます。
これを市民センター(区役所や役場)に持って行けば、即日で国民健康保険証が発行されます。
また、最近ではマイナポータル経由での申請も可能になってきており、マイナンバーカードがあればオンラインで完結することもあります。
- 資格喪失証明書は必須書類
- マイナンバーカードがあればオンライン申請可
- 手続きは早めに済ませる
任意継続の保険証は返却必須
任意継続保険の資格が失効したら、保険証もそのまま郵送で返却する必要があります。
これは義務なので、忘れずに最寄りの協会けんぽ支部に送りましょう。
これで、任意継続から国民健康保険への切り替えが完全に終了となります。
- 保険証は郵送で返却
- 返却先は協会けんぽ支部
- 使用停止後は速やかに返却
国保の実際の保険料を確認
試算では「年額167,400円」としていましたが、納付書が届いてみると実際は15万円程度でした。
誤差はありましたが、試算とほぼ同じ。
そして任意継続を続けていた場合の「年額42万4800円」と比べると、圧倒的な節約になりました。
- 実際の金額は試算に近かった
- 明細は世帯ごとに分かれて届く
- 国保への切り替えは大きな節約
まとめ:国保切り替えで保険料節約
退職後2年目に保険を見直し、国民健康保険に切り替えた結果、保険料は大幅に削減され、生活に余裕が生まれました。
思っていたよりも手続きはシンプルで、今なら「やめたい」と申請するだけで任意継続を脱退できるなど、制度も改善されています。
この経験を通して、退職後の健康保険の見直しは早めに行うべきだと痛感しました。
この記事が、同じような状況にある方の判断材料になればうれしい限りです。
健康保険見直しは早めが得策
退職後の健康保険、なんとなくで選んでしまっていませんか?
任意継続と国民健康保険、どちらが自分に合っているかを判断するには、保険料の試算や制度の確認がとても重要です。
私のように、年間で25万円以上の差が出ることもあります。
ぜひ一度、ご自身の状況でシミュレーションをしてみてください。
役所の窓口や自治体のホームページには、分かりやすい試算ツールが用意されている場合もあります。
保険の切り替えは、「知らないと損する」典型的な分野です。
面倒だと思わず、一歩踏み出して調べてみることをおすすめします。
※制度や保険料の内容は市区町村や年度によって異なります。必ずご自身の自治体や「協会けんぽ」の最新情報をご確認ください。