【ジョージ・ハリスン】George Harrisonを独断と偏見でレビュー

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前回からの続きです。

アルバム全体の印象

「George Harrison」は1979年2月に発売されました。

ジョージがソロになってから6作目の作品で、ジョージが36歳くらいの時に発売されたアルバムです。

前作の「Thirty Three & 1/3」は1976年11月に発売されましたので、それから2年以上経っての発売ということですね。

アルバム名の原題はその名の通り「George Harrison」ですが、邦題はなぜか「慈愛の輝き」という名前になっています。

アルバム名と名前が同じなので、おそらく紛らわしかったんでしょうね。

どのくらい売れたかと言うと全米で最高14位となっていますので、元ビートルズにしてはそこそこの売り上げだったようですね。

全体的な印象としてはロックと言うよりアコースティックな感じで、いつも通り捨て曲はなく1曲1曲時間をかけてよく作り込まれていると言う感じです。

巷ではジョージの傑作アルバムのひとつともされているようですが、個人的にはそこまでとは思いませんね。

ジョージとしてはごく普通の出来ではないでしょうか。

良い曲

このアルバムで良いと思う曲は2曲あります。

まず4曲目に入っている「Soft-Hearted Hana」は、ジョージファンなら絶対に聴くべき曲のひとつです。

この曲はマウイ島で書かれた作品で、確かにどことなく南国をイメージさせるような曲になっています。

演奏ではジョージ得意のスライドギターやシタールも満載です。

基本的には明るく軽快な曲ですが、その中にもどことなく哀愁が漂うメロディがジョージらしいところです。

ただ明るい曲が好きなだけなら、ジョージのアルバムなど聴く必要はありません。

5曲目の「Blow Away」はアルバムの先行シングルとして発売された曲で、そこそこヒットしました。

ベストアルバムである「Dark Horse Years 1976-1992」にも収録されていますので、聴いたことがある人も多いかもしれませんね。

まあジョージの曲としては、比較的有名な部類に入るのではないでしょうか?

曲の構成は何となく後述する「Here Comes The Moon」と似ている気もしますが、こちらの方が圧倒的にキャッチ―です。

ジョージの曲でサビがこれほどキャッチ―なのはいつ以来でしょうか?というくらいですが、パッと出てこないので考えるのはやめておきます。

その他の曲

まず1曲目「Love Comes to Everyone」はこのアルバムからのセカンドシングルになった曲ですが、残念ながらヒットしませんでした。

ヒットはしませんでしたが、ジョージファンからの評価は高い曲のひとつであります。

ではなぜこの曲を良い曲に選ばないのかと言うと、個人的な好みですね。

確かにキレイなメロディだとは思いますが、全体的に間延びしている感じがするんですよね…。

ただ、シングルでヒットしなかったというのは不思議ですけどね。

2曲目の「Not Guilty」はビートルズ時代の1968年には既にできていた曲で、ビートルズバージョンは「ザ・ビートルズ・アンソロジー3」に収録されています。

個人的にはどちらのバージョンも今ひとつなので、ビートルズでボツになっても「ふーん」と言う感じです。

それほどいいとは思えない曲を無理やり録音したという感じにしか聴こえませんので、特に言うことはありません。

3曲目の「Here Comes The Moon」は、ジョージがビートルズ時代に作った名曲「Here Comes The Sun」の続編的な作品です。

しかし個人的な感想としては前作の方が圧倒的に出来は良く、この曲はいいと思ったことがほぼありませんね。

聴いていると眠くなる、という以外に特に感想はありません。

6曲目の「Faster」は、F1観戦にも行っていたというF1好きのジョージが作ったF1賛歌です。

曲はF1が走ってくる音から始まりますが、それ以外は特筆することがありませんね。

個人的にはこの曲も「Love Comes to Everyone」と同様、全体的に間延びした感じに聴こえてイマイチです。

7曲目の「Dark Sweet Lady」は夫人のオリヴィアに歌ったラブソングですが、メロディについては相当いい線行っていると思いますね。

ではなぜ良い曲に入れないかと言うと、あとほんの1ミリ何かが足りないからです。

サビの盛り上がりがもう少し欲しいところですが、サビでないところのメロディは素晴らしいと思います。

まあ次点と言うことで。

8曲目の「Your Love Is Forever」も夫人に向けて歌ったラブソングです。

この曲はジョージが相当気に入っているようで、ビートルズ時代に作った名曲「Something」と同じくらい良い曲だと思っているそうです。

そうなると期待度がグッと上がりますが、個人的にはピンと来ませんね。

「これのどこが?」と言う感じで、ジョージには申し訳ないけれどごく普通の曲というのが感想です。

9曲目の「Soft Touch」も悪くはありませんが、それほどいいという曲ではありませんね。

けっこう一本調子のメロディで押している感じで、繋ぎの曲と言う感じもします。

ラストの「If You Believe」はジョージの友達のゲイリー・ライトとの共作ですが、バラードっぽい曲が続く中でようやく軽快な曲が来たという感じです。

しかし軽いだけで深みがイマイチ感じられませんね。

悪くはありませんが、何回か聴いているうちに飽きてしまいます。

ということで、今回は終わりにします。