最近は新NISAの話題ばかりですね。
でも、いざ始めようとすると「どこから資金を出すのが正解?」と悩む人が多いようです。
この記事では、新NISAに投資する際の資金の優先順位について整理してみます。
初心者の方や、資金の捻出方法で迷っている方におすすめです。
新NISAは早く投資する方が有利
新NISA口座では、いくら儲かっても利益に対して税金がかかりません。
優良なインデックスファンドは長期で見ると右肩上がりなので、早く投資する方が利益が増える可能性が高くなります。
特定口座では利益に対して税金を取られるので、利益が増えるほど税金が高くなります。
しかし、新NISAではどれだけ利益が出ようが1円も税金を取られません。
その点が、他の口座よりも優れていると言えます。
毎月30万円を投資したい
新NISA口座で毎月30万円を投資すれば、ちょうど年間投資枠の360万円になります。
つみたて投資枠10万円、成長投資枠20万円を毎月投資するのが理想です。
お金が余っているなら成長投資枠は年初一括で投資しても良いと思いますが、その辺は好みです。
いずれにせよ、5年で1800万円の投資枠を埋めるのが理想です。
まずは収入からの投資
新NISAの投資資金は、毎月の収入から確保するのがベストです。
毎月30万円投資するのが苦しいなら、ボーナスで補填してもかまいません。
預金口座や証券口座を取り崩さなくても良いなら、そちらの方が良いに決まっています。
ただ、収入だけで年間360万円を捻出するのは相当難しいと思います。
次に預金の取り崩し
毎月の収入からの投資では資金が足りないなら、預金を取り崩します。
証券口座より優先する理由は、証券口座よりも金利が低いからです。
最近は金利が多少上がっていますが、それでも預金していてもほとんどお金は増えません。
ただ、生活防衛資金は残しておく必要があります。
一般的には「月間生活費の6〜12か月分」が、生活防衛資金の目安となっています。
個人的には、最低100万円残しておけば良いと思いますが。
次は証券口座の取り崩し
預金でも足りなければ、証券口座から取り崩します。
すでに投資しているのになぜそんなことをする必要があるんだ?と思うかもしれませんが、非課税期間が無期限という点で、新NISAより優れた口座はありません。
なので、投資資金が足りないなら他の口座を取り崩してでも新NISAに移す価値が十分にあります。
取り崩しの方法
取り崩しの方法としては、生活防衛資金を使って同日にリバランスしながら売買するのがベストです。
同日に売買しておけば、相場の影響をほとんど受けませんからね。
生活防衛資金が一時的に減ったとしても、売ったお金が数日後に戻ってくるので問題なしです。
生活防衛資金に手を付けるのがイヤなら、売ったお金が入ってから買ってもかまいません。
ただ、お金が入るのに数日かかるので、多少相場が変動します。
また、リバランスするのが面倒なら、売った商品と同じ商品をそのまま買ってもかまいません。
旧一般NISA2021から取り崩す
証券口座の取り崩しの優先順位としては、一般NISAの2021年に投資したものから取り崩します。
その理由は、2025年で非課税保有期間が終わるからです。
ロールオーバー(5年間繰り越し)ができなくなったので、2026年の1月1日に特定口座へ移管されてしまいます。
そうなると、利益に対して金融所得課税を取られてしまいます。
なお、今年の投資枠がすでに埋まっている場合でも、年末に売って翌年の投資資金に回すべきです。
これはマストと言っても良いでしょう。
次は特定口座(所得控除できる範囲)
その年の所得控除額が残っている場合は、特定口座で利益を出すことで残さず使い切れます。
いったんは源泉徴収されますが、確定申告すれば翌年に全額が還付され、完全非課税にできます。
要は、NISAで取り崩すのと同じです。
自分がどのくらい所得控除できるかは、過去の確定申告を見ればだいたい分かります。
今年の投資枠がすでに埋まっている場合は、年末に所得控除額ギリギリまで売って翌年の投資資金に回せば良いでしょう。
ただ、この方法はよっぽど所得が少ない人かiDeCoで年間80万円拠出しているFIRE民くらいしか使えませんけどね。
サラリーマンなどの一般の給与所得者は、所得控除額が残らないのでほぼ使えません。
次は旧一般NISA2022・2023の取り崩し
これらは、2026年以降に非課税保有期間が終わります。
まだ少し余裕がありますが、新NISAの投資枠が空いている時に、わざわざ旧NISAに残しておくメリットはありません。
証券会社のホームページでは、年度ごとの銘柄の保有口数と評価額が確認できるはずです。
なので、年度の古い順に売っていきましょう。
そんなことはないとは思いますが、ホームページに書かれていない場合は、問い合わせるしかないですね。
表1:旧NISA年度別の非課税終了年
年度 | 非課税終了年 |
2021 | 2025年 |
2022 | 2026年 |
2023 | 2027年 |
(出典:筆者調べ)
旧つみたてNISAも同様
旧NISAには、一般NISAの他につみたてNISAがあります。
つみたてNISAをしていた人はどうかと言うと、そちらも考え方は一般NISAと同様です。
非課税期間は20年ありますが、新NISAの投資枠が空いているのにつみたてNISAで保有しているメリットはありません。
新NISAの投資資金が足りなければ、非課税期間が早く終わる前にとっとと売却して、新NISA口座で買い直しましょう。
最後に特定口座(課税枠)を取り崩す
最後は特定口座(課税枠)の取り崩しです。
取り崩すと20.315%の金融所得課税が取られますが、これはもう仕方ないですね。
ただ、右肩上がりを想定するならば、一刻も早く売る方が税金が安くなります。
税金が安いうちにとっとと売却して、新NISA口座で非課税にしてしまいましょう。
iDeCoは基本的にそのままで
iDeCoの拠出金額を新NISAに回す方が良いかどうかは、非常に難しい問題です。
ただ、現在iDeCoで拠出しているということは、節税などでそれなりにメリットがあると感じているからだと思います。
そのメリットを失くしてまで、新NISAの投資資金を作る必要はないというのが私の考えです。
もし、この先iDeCoにメリットがないと思った時に、拠出をやめるか減額すれば良いと思います。
ただし、拠出をやめても最低60歳まで手数料は取られ続けるので注意が必要です。
個人的には、iDeCoと新NISAは、併行して投資するのが良いと思いますね。
まとめ:新NISAの資金優先順位
この記事では、新NISAで投資するための資金の優先順位について考えてみました。
基本的な優先順位は、収入→預金→旧一般NISA2021→特定口座(非課税枠)→旧一般NISA2022・2023、旧つみたてNISA→特定口座(課税枠)です。
iDeCoについては、基本的に減額する必要はないと思います。
新NISAの投資資金の調達に苦労している人は、参考にしてみてください。
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