確定申告するたびに思っていたのですが、いつも所得控除額が大量に余ってしまいます。
去年まではそれを使おうなどとは全く考えていなかったのですが、ちょっともったいないですよね。
この記事では、余っている所得控除額を有効活用する方法について書いていきます。
毎年所得控除額が大量に余る人や低所得の個人投資家におすすめの内容です。
去年余った所得控除額
私は毎年確定申告をしていますが、いつも所得控除額が余りまくります。
去年の場合で言うと、所得控除額は以下になります。
表1:昨年の所得控除額の内訳
区分 | 金額(円) |
社会保険料控除 | 203,266 |
小規模企業共済等掛金控除 | 804,000 |
生命保険料控除 | 23,634 |
基礎控除 | 480,000 |
合計 | 1,510,900 |
(出典:筆者の確定申告)
社会保険料控除は全額国民年金保険料、小規模企業共済等掛金控除は全額iDeCoの拠出金額です。
あと、生命保険料控除が少々と基礎控除。
これがまるまる所得控除になります。
私は特にこれと言って収入がないため、この所得控除額がほぼ全額余ります。(ブログのアフィリエイト収入などはほんのわずか)
去年まではこれを丸ごと捨てていましたが、よくよく考えてみると実にもったいないことをしていることに気付きました。
ということで、この余っていた控除額を無駄にしないための使い道を考えてみます。
所得控除額は特定口座の所得に使える
所得控除額は、総合課税にしか使えないと思っている人が多いのではないかと思います。
チャットGPT先生でも、その辺の認識は甘いところがありますね。
私も以前はそう思っていましたが、調べてみると、それは間違いだということが分かりました。
たとえば、国税庁が公表している「令和6年分 株式等の譲渡所得等のあらまし」には、こう明記されています。
総所得金額等から控除しきれない雑損控除、医療費控除、配偶者控除、基礎控除などの所得控
除の金額がある場合には、その控除しきれない金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上
場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除します。
所得控除の金額は、一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額
から順次控除します(ただし、これと異なる順序で控除しても差し支えありません。)。
確定申告のフォーマットを見ると、通常は、総合課税の所得、土地や建物を売ったときの所得の次に、株式の譲渡所得が控除されるようです。
私は総合課税の所得も土地、建物の所得もありませんからね。
よって、所得控除額が全額投資信託の売却に使えるというわけです。
特定口座の投資信託の売り方
余っている所得控除額の使い方としては、まず、所得控除額になるまで、特定口座の投資信託を売ります。
特定口座の投資信託を売る時の、所得の計算方法は以下の通りです。
特定口座が源泉徴収ありの場合はいったん税金が取られますが、気にする必要はありません。
所得を所得控除額内に収めれば、確定申告することで、翌年に全額戻ってきます。
申告内容に問題がなければ、所得税は2月末、住民税は6月末頃に還付されます。
ただし、本当に重要なのは売って得たお金をどう活かすかです。
翌年の新NISAの投資資金にする
売って得たお金をどう活かすかで、真っ先に思い付くのは、翌年の新NISAの投資資金に充てることです。
新NISAの年間投資枠は、360万円ありますからね。
これだけの資金を準備するのは、なかなか大変です。
そこに、特定口座の売却額を当てることができれば、だいぶ楽になります。
新NISA口座の使い方としては、つみたて投資枠は積立設定が必要なので、まとまったお金を投資するのには向いていません。
そのため、成長投資枠を使って、年初に一括で投資したいですね。
リバランスの資金にする
新NISA口座を持っていない、または翌年の新NISAに回さなくても良い場合は、リバランスするのも有効です。
年に1回くらいはリバランスしないと、ポートフォリオが乱れてしまいますからね。
ただ、リバランスは売却額に税金がかかるため、普段はなかなかやりたくないというのが本音です。
しかし、所得控除額の範囲内でできるなら話は別です。
売却額は翌年に全額還付されるため、心置きなくリバランスできます。
アセット内で別の投資信託を買う
リバランスをしない場合は、含み益が多い投資信託を一度売却して、同じアセット内の別の投資信託を購入するという方法もあります。
含み益が多くなると、売却した時の税金が多くなってしまいますからね。
それをできるだけ減らそうという考えです。
例えば、eMAXIS Slim 先進国株式の評価損益が200%を超えているとします。
これを100万円普通に売れば、利益66万6667円に対して約13万5434円の税金が引かれます。
しかし、ニッセイの先進国株式を同じだけ買えば、その時点での評価損益は0になります。
同じ指数に連動している低コストの投資信託であれば、大して値動きも変わりませんからね。
右肩上がりを想定するならば、将来的に見て、そちらの方が税金が安くなるのは自明の理です。
これを所得控除額の範囲内で売買することで、この13万5434円は確定申告で全額還付されます。
まとめ:余っている所得控除額の使い方
この記事では、余っている所得控除額の活用方法について書きました。
所得控除額が余る場合、特定口座の投資信託を売ることで、キレイに使い切ることができます。
売ったお金は、新NISAの資金、リバランス、同一アセット内での投信乗換など、用途は様々あります。
所得控除額内であれば、翌年に全額還付されるため、これを使わない手はありません。