インデックス投資という言葉を聞くと、「簡単」「ほったらかし」「初心者向け」というイメージを持つ方も多いでしょう。
私も2017年からこの投資法を実践してきましたが、ただ積み立てるだけじゃ物足りないと感じていたんです。
そこで辿り着いたのが「ノーセルリバランス」。
これは売らずに買い増しだけでポートフォリオを整える方法で、意外と奥が深いんですよ。
この記事では、ノーセルリバランスのやり方から、メリット・デメリットまでをしっかり紹介していきます。
ノーセルリバランスの基本とは
ノーセルリバランスとは、保有している投資信託を売却することなく、新たな購入だけで資産の割合(アセットアロケーション)を整える方法のことです。
例えば、資産Aと資産Bを半分ずつ保有していた場合でも、値動きによってバランスが崩れてしまいます。
そんなとき、資産が偏って高くなった方を少なめに、安くなった方を多めに買い足すことで、全体のバランスを50:50に戻すわけです。
表1:ノーセルリバランスの例
資産 | 評価額 | 割合 | 追加投資額 | 合計金額 | 投資後の割合 |
資産A | 12万円 | 60% | 3万円 | 15万円 | 50% |
資産B | 8万円 | 40% | 7万円 | 15万円 | 50% |
(出典:筆者作成)
- 売却を伴わないので税金が発生しない
- 値上がり資産を少なく買える
- 比率調整でリスク管理ができる
割高な資産を避ける効果
ノーセルリバランスを行うと、価格が上がり過ぎた資産には少額しか投資せず、割安になった資産に重点的に投資できます。
結果として、全体の平均取得価格を抑えることができ、効率的な資産形成が可能になります。
例えば、資産Aが大きく値上がりしている場合、追加で買う金額は少なく済みます。
これにより、割高な状態でたくさん購入してしまうリスクを避けられます。
- 割高な資産の購入額を抑えられる
- 平均取得価格の上昇を防げる
- 資産ごとの偏りを自然に調整できる
税金を気にせず調整可能
通常のリバランスでは、資産の一部を売却するため、利益が出ていれば税金(特定口座なら20.315%)が発生します。
しかし、ノーセルリバランスでは売却を伴わないため、税金の心配がありません。
このように、長期的に運用を続けるうえで、税コストを抑えることは非常に大きな意味を持ちます。
- 売却を伴わないため税金がかからない
- 長期的な複利効果を活かしやすい
- 含み益を維持しやすい
自分で買う手間と引き換えの自由
ノーセルリバランスでは、毎回自分で購入金額を計算する必要があります。
現時点での各資産の割合と目標比率を比較し、必要な金額を手計算またはツールで導き出す必要があります。
この作業が面倒だという人もいますが、スプレッドシートなどで一度計算式を作ってしまえば、2回目以降は比較的簡単にできます。
- 手間がかかるが自由に調整できる
- 計算フォーマットを作れば効率化できる
- 自分の戦略に合わせやすい
自動積立との違いを理解
ノーセルリバランスは、資産ごとの購入金額が毎回変わるため、自動積立との相性はよくありません。
積立設定では一定金額を固定して購入するため、都度調整するノーセルリバランスには不向きです。
また、新NISAの「つみたて投資枠」やiDeCoでは積立設定が必須のため、ノーセルリバランスを活用できません。
利用可能なのは、新NISAの「成長投資枠」や特定口座のみです。
- 自動積立設定では運用しづらい
- 対応できるのは成長投資枠や特定口座
- 手動運用の柔軟性が活きる
成績が良くなるとは限らない
ノーセルリバランスをしても、自動積立より必ずしも成績が良くなるとは限りません。
割高と判断して少なく買った資産がその後もどんどん値上がりした場合、「最初から積立で買っておけばよかった」という結果になることもあります。
あくまでリスクを分散しながら、長期的に安定した運用を目指す方法と考えるべきです。
- 常に利益が出るとは限らない
- 値上がり資産を逃す可能性もある
- 安定重視の戦略として活用
まとめ:ノーセルリバランスの最適な活用法
ノーセルリバランスは、売却による課税を避けつつ、資産のバランスを整えられる賢い投資手法です。
ただし、計算の手間や完全手動での運用など、多少の手間は必要になります。
ですが、少しの努力で税効率の良い投資ができるのは大きな魅力です。
リスクを抑えつつ投資効率を高めたいという方には、ぜひ取り入れてほしい手法ですね。
ノーセルリバランスを始める最適な方法
もし「自分もやってみようかな」と思った方は、まずは特定口座や成長投資枠から始めてみてください。
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必要な道具さえそろえれば、あなたも今日から一歩踏み出せますよ。
※ 投資は元本保証ではなく、損失が発生する可能性もあります。よく調べてから始めましょう。