【インデックス投資の攻略】ノーセルリバランスで買い増す最適な方法

ノーセルリバランスを使って資産配分を調整する男性のイラスト(棒グラフと円グラフ付き) インデックス投資

インデックス投資(特に投資信託)を続ける中で、毎回悩むのが「どう買い増すか」です。

積立設定は便利だけど、思った通りの資産配分にならないこともありますよね。

私はそんなとき、「ノーセルリバランス」という方法にたどり着きました。

売らずに買うだけでバランスを整える――今回はその魅力と注意点をお伝えします。

ノーセルリバランスとは?

ノーセルリバランスを理解しようとする男性が資産AとBの棒グラフと円グラフを見つめているイラスト

ノーセルリバランスとは、簡単に言うと投資信託を売らずにリバランスすることです。

ではどのようにするかと言うと、投資信託を買うだけでリバランスします。

例えば、資産AとBに10万円ずつ投資して50%ずつのポートフォリオにしたとします。

表1:初期の資産配分(リバランス前)

資産 評価額 割合
資産A 10万円 50%
資産B 10万円 50%

(出典:筆者の計算)

そのまま放置して、1年後に資産Aが12万円、資産Bが8万円になったとします。

表2:1年後の資産配分(リバランス前)

資産 評価額 割合
資産A 12万円 60%
資産B 8万円 40%

(出典:筆者の計算)

これを10万円の追加投資でノーセルリバランスすると、次のようになります。

表3:ノーセルリバランス後の資産配分

資産 評価額 割合 投資額 合計金額 投資後の割合
資産A 12万円 60% 3万円 15万円 50%
資産B 8万円 40% 7万円 15万円 50%

(出典:筆者の計算)

このように、買うだけで投資後の割合が50%ずつになるように調整します。

豆知識:ノーセルリバランスは米国の個人投資家の間では「buy-only rebalance」とも呼ばれ、課税回避とコスト効率を両立できる手法として人気です。

 

  • 投資信託を売らずにバランスを整える手法
  • 追加購入でポートフォリオを再調整できる
  • 売却を伴わないため課税を回避できる

ノーセルリバランスのメリット

ノーセルリバランスのメリットを説明する男性と、資産Aが割高であることを示すグラフのイラスト

ノーセルリバランスしながら購入するメリットは、次の2つです。

  • 割高になった資産を少なめに買える
  • 税金を取られずにリバランスできる

割高な資産を抑えて買える理由

例えば、先ほどの表では資産Aには3万円しか投資していません。

表3:ノーセルリバランス後の資産配分

資産 評価額 割合 投資額 合計金額 投資後の割合
資産A 12万円 60% 3万円 15万円 50%
資産B 8万円 40% 7万円 15万円 50%

(出典:筆者の計算)

その理由は、資産Aの割合が50%から60%に増えたからです。

割合が増えたということは、資産Bよりも資産Aが割高になっているということです。

ノーセルリバランスしながら購入することにより、割高になった資産を少なめに買うことができます。

それにより、割高になった資産の平均取得価格を抑えることもできます。

リバランスで税金がかからない仕組み

通常リバランスをする時は、投資信託を売買します。

しかし、特定口座で投資信託を売ると所得に対して金融所得課税(20.315%)がかかります。

その点、ノーセルリバランスでは買うだけで売ることはしないので税金はかかりません。

なので、税金のことを気にせずにリバランスすることができます。

その代わり、予算が少ないと完全にリバランスはできませんけどね。

徐々にリバランスしていくイメージでしょうか。

 

  • 割高な資産の購入を抑えられる
  • 売却しないため税金がかからない
  • 相場に合わせて柔軟に資産を調整できる

ノーセルリバランスのデメリット

ノーセルリバランスのデメリットに悩む男性とチェックリストのイラスト

ノーセルリバランスしながら購入する時は、次のデメリットもあります。

  • 購入金額を計算する必要がある
  • 積立設定ができない
  • 自動積立より儲かるとは限らない

毎回の購入金額を計算する必要あり

ノーセルリバランスしながら購入する時は、当然ながら購入金額の計算が必要です。

現時点での各資産の割合をポートフォリオと比較して、資産ごとに購入する金額を計算する必要があります。

これを毎回手動で計算するのは、非常に面倒くさいです。

ただ、1回スプレッドシートでフォーマットを作ってしまえば簡単ですけどね。

積立設定が使えない理由とは?

ノーセルリバランスしながらの購入では、毎回資産ごとの購入金額が変わります。

積立設定では資産ごとの購入金額を固定する必要があるので、ノーセルリバランスをする時は積立設定ができません。

なので、毎回手動で購入する必要があります。

若干面倒くさいですが、8銘柄くらいの購入なら10分程度で終わりますからね。

それくらいの手間は、別に問題ないでしょう。

ただ、新NISAのつみたて投資枠とiDeCoは積立設定が必要なのでノーセルリバランスしながら購入することはできません。

ノーセルリバランスしながら購入できるのは、新NISAの成長投資枠と特定口座くらいですね。

注意点:新NISAのつみたて投資枠やiDeCoでは、制度上「自動積立」が前提のため、ノーセルリバランスは使えません。

自動積立より有利とは限らない理由

ノーセルリバランスしながら購入しても、自動積立で購入するより儲かるとは限りません。

やっていることは、単にリバランスしながら購入しているだけですからね。

割高になった資産の平均取得価格を下げる効果はありますが、その資産の購入金額自体も少なくなります。

割高になった資産がそのまま上がり続けた場合は、結果的に「何も考えずに自動積立で買っていた方が良かった」ということも十分にあり得ます。

 

  • 毎回の購入額の計算が手間
  • 積立設定が使えず手動購入が必要
  • 自動積立より必ずしも成績が良いとは限らない

まとめ:ノーセルリバランスの賢い活用法

ノーセルリバランスを活用するアイデアをひらめいた男性と、グラフを表示するノートパソコンのイラスト

ノーセルリバランスは、売却による課税を避けつつ、資産配分を整えられる実践的な方法です。

慣れるまでは手間に感じるかもしれませんが、考え方自体はシンプルで柔軟性があります。

制度的に使えない口座もあるため、適した口座を選ぶことが大切です。

「自分で調整するのが面倒でなければアリ」と思える人には、最適なスタイルかもしれません。

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