ハローワークの就職支援セミナーとは?基本コースの内容と求職活動実績へのカウント体験談

晴れた日に緑に囲まれた場所に立つ2階建ての白いハローワークの建物を少し離れた位置から見た場面 退職手続き

前回の記事では、ハローワークの職業訓練説明会について書きました。

今回はその続きとして、「就職活動の進め方」をざっくり教えてくれる就職支援セミナーに焦点を当ててみます。

この記事では、就職支援セミナーの概要と、実際に基本コースに参加してみた感想を書いていきます。

これから就職支援セミナーに参加しようと思っている人の参考になるかもしれません。

就職支援セミナーの概要

自宅のテーブルでノートパソコンに向かう中年男性が、頭の横に「就職支援セミナー」と書かれた青い吹き出しを思い浮かべて真剣な表情で画面を見つめている様子

就職支援セミナーは、ハローワークや委託先の専門機関が行っている、「就職活動の進め方」をまとめて教えてくれるセミナーです。

職業相談が「個別に話を聞いてもらう場」だとすれば、就職支援セミナーは「何人かで同じ話を聞きながら、就活の基本をいっしょに学ぶ場」というイメージです。

内容は地域によって少しずつ違いますが、退職後の就職活動でつまずきやすいポイントを、一通りおさらいできるような構成になっていることが多いです。

厚生労働省「ハローワークの相談支援」

 

就職支援セミナーの目的

就職支援セミナーの一番の目的は、「就職活動の全体像」と「今どきの就活ルール」をざっくり頭に入れてもらうことだと思います。

会社を辞めてしばらく経つと、

  • どんな順番で就活を進めればよいのか分からない
  • 昔の常識と今の就活の常識の違いが分からない
  • 履歴書や面接のマナーに自信がない

といった不安が出てきやすいです。

就職支援セミナーは、こうした不安をいったん整理して、「まずはここから手を付けましょう」という道筋を示してくれる場だと考えておくと分かりやすいと思います。

ハローワークインターネットサービス「ハローワークのサービスについて」

 

基本コースと演習コースの違い

就職支援セミナーには、ざっくり分けると「基本コース」と「演習コース」の2種類があります。

  • 基本コース
    講義形式が中心のセミナーです。就職活動の流れやマナー、書類の考え方などを、スライドや配布資料を見ながら一通り説明してくれます。基本的には、聞いている時間が長くて、人前で発言する場面はあまり多くありません。
  • 演習コース
    グループワークやロールプレイ(模擬面接など)が中心のセミナーです。参加者同士で話し合ったり、前に出て発表したりしながら、実際の就職活動をイメージして練習する内容になっています。

ざっくり言うと、基本コースは「まずは就活の全体像を知りたい人向け」、演習コースは「実際に動いてみて慣れていきたい人向け」という分かれ方だと思います。

人前で話すのが苦手な人や、「とりあえず全体像だけ知りたい」という段階の人は、基本コースから様子を見るのが無難です。

逆に、面接の練習をしたい人や、他の人の受け答えも見てみたい人には、演習コースの方が得られるものが多いと思います。

 

どんなことが学べるのか

就職支援セミナーで学べる内容はさまざまですが、代表的なものを挙げると次のようなイメージです。

  • 就職活動の流れ
    求人の探し方、応募から面接、内定までのおおまかな流れを整理してくれます。
  • 履歴書・職務経歴書の考え方
    「何を書けばよいのか」「どこまで正直に書くのか」など、書く前に押さえておきたいポイントを解説してくれます。
  • 面接でよくある質問と答え方の例
    退職理由や自己PRなど、答えにくい質問への向き合い方を教えてくれることもあります。
  • 仕事選びの視点
    条件面だけでなく、「自分がどんな働き方をしたいのか」を考えるヒントが紹介されることもあります。

セミナーによっては、講義だけでなく、簡単なワークシートを使って自分の経験を書き出してみたり、隣の席の人と意見交換をしたりする時間が設けられる場合もあります。

「いきなり職務経歴書を完成させる」のではなく、その前の準備運動として使うと、内容を消化しやすいと感じました。

豆知識:セミナー中に気になったことは、その場でメモしておき、質問タイムや個別相談のときにまとめて聞くようにすると、その後の就職活動の方針が立てやすくなります。

厚生労働省「ハローワークのオンラインサービスのご案内」

 

参加に向いている人

就職支援セミナーは、次のような人にとって、相性がよい場だと思います。

  • 初めて本格的に就職活動をする人
    新卒のときは勢いで就職したので、改めて就活のやり方を学びたいという人。
  • ブランクが長くて不安がある人
    専業主婦・主夫や長期離職などで、久しぶりに働き始めようとしている人。
  • ハローワークをどう使えばいいか分からない人
    職業相談や職業訓練と合わせて、どの順番で使えばよいか知りたい人。

一方で、「すでに具体的な応募先が決まっていて、今すぐ面接対策だけを詰め込みたい」という人にとっては、少し回り道に感じるセミナーもあるかもしれません。

その場合は、就職支援セミナーよりも、個別の職業相談や専門の面接対策セミナーの方が合っているケースもあると思います。

 

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私の体験

ハローワークの就職支援セミナーで、中年の女性講師がホワイトボードを背に教室前方に立ち、私服の受講者たちに向けて講義している様子

ここからは、実際に私が就職支援セミナーに参加したときの様子を書いていきます。

就職支援セミナーには、基本コースと演習コースの2つがありますが、必ずしも両方に出席しないといけないわけではありません。

どちらか片方だけの参加でもOKです。

どちらに参加しても、私のときは1回分の求職活動実績としてカウントされました。(取り扱いは地域や時期によって変わる可能性があるので、気になる人は事前に確認しておくと安心です)

 

基本コースは人気がある

私の通っていたハローワークでは、講義室のようなところで月に1〜2回ほど開催されていました。

基本コースは人気が高くて、すぐに予約が埋まってしまいましたね。

私が参加したときも、早めに申し込まないと満席になってしまう状況でした。

なので、希望日があるなら、日程を見つけた瞬間に予約するくらいのスピード感が必要です。

 

セミナーの内容

基本コースでは、主に就職活動に必要な知識とマナーについて、講義形式で教えてくれます。

時間は2時間ほどとけっこう長いですが、ただ座って話を聞いていればよいだけなので、基本的には楽ちんです。

講義の内容はほとんど覚えていませんが、次の2つだけは今でも鮮明に覚えています。

  • 履歴書で〇を書くときは、〇が書ける定規を使え
  • 封筒に貼る切手は絶対に傾いてはいけない

「ホンマかいな」と思いましたが、実際にそういう細かいところを気にする採用担当もいるそうです。

世の中には、暇な人もいるもんですね。

まあ、私はそういう採用担当がいる会社には絶対就職したくありませんが(笑)

 

演習コースは面倒くさそう

演習コースは、基本コースの数日後に行われることが多いですね。

私は参加していませんが、セミナーの目的には「グループワークやロールプレイの手法による演習を通して、実際に体験することによる気づきから、就職に必要な知識や方法を学ぶ」などと書かれていました。

おそらく模擬面接もあるので、「面接の練習をしたい」という人には、練習の場として悪くないと思います。

ただ、私のように人前で話すことが苦手な人には、ちょっとハードルが高そうですが……。

私はグループワークでは、いつも「どうやったら発表者にならずに済むか」だけを考えていましたから(笑)

いずれにしても、演習コースは本気で就職したい人向けですね。

注意点:就職支援セミナーの実施頻度や内容、求職活動実績としての扱いは、ハローワークごとに異なる場合があります。申し込む前に、最新の条件を一度確認しておくと安心です。

 

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まとめ:就職支援セミナーのポイント

明るいオフィスで私服の中年男性が赤い小さなハンコが押された白い紙を片手に持ち、もう片方の手で親指を立てて笑顔を向けている様子

この記事では、就職支援セミナーの概要と、実際に基本コースに参加してみた感想を書きました。

基本コースでは、履歴書の書き方や面接のコツなどを座学でコンパクトに学べます。

演習コースは、模擬面接やグループワークを通じて、より実践的に就職活動を練習したい人向けの内容です。

求職活動実績が欲しいだけなら、個人的には基本コースだけ参加しておく方が無難だと思います。

※本記事は2025年12月時点の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。