このゲーム最大の敵は、助手ワトソンかもしれません。
ゲーム内容
1986年10月31日にジャレコから発売。
ジャレコと言えば、このゲームより「燃えろ!!プロ野球」が有名ですよね。
当時としてはかなりキレイなグラフィックで、発売前からかなり話題になりました。
面白かったかどうかは個人の判断ですので、何も言わないことにしますが…。
ちなみに「燃えろ!!プロ野球」は1987年6月26日に発売されましたので、本作はそれよりは少し前ということになります。
本作では、プレイヤーは主人公チャールズとなります。
航行中の船内で見つかった死体について、助手ワトソンと一緒に事件解明していきます。
ゲームシステム的には、自分で操作するタイプのアドベンチャーゲームです。
ポートピア連続殺人事件のようにコマンドタイプではありません。
ゲームは死体を見つける前から始まりますので、自分で死体を発見しない限りゲームは全く進展しませんが…。
登場人物
このゲームの登場人物は、チャールズとワトソンを除くと全部で8人です。
- ブラウン
4号室で殺された人。死体で発見された時の顔はラーメンマンに似ている。 - ネルソン
この船の船長で、この船では唯一まともそうな大人。 - ディジー
8号室にいますが、可愛らしい若い女性です。事件とはあんまり関係なさそうですが、実際のところはどうなんでしょうね? - テーラー
20号室にいるオシャレな感じの若いお姉さんですけど、売春婦との噂も? - カーター
9号室にいる判事ですが、普段はあまり存在感のないジジイ。 - ヘレン
23号室にいる未亡人のおばさん。お金持ちのようですが、高飛車。 - ウィリアム
15号室にいる慈善家。しかし実際は毎朝罪もない野鳥を撃ち殺し、チャールズの顔を見るとすぐに寄付をしろと言ってくる偽善者。 - ヘンリー
この船の船員で、一応27号室に部屋があります。
殺されたブラウンの息子ですけど、殺されても全く悲しんでいないような…?
果たしてこの中に犯人がいるのでしょうか…?
事件解明を困難にする6つの理由
このゲームの事件解明を困難にしているのは、事件の複雑さだけではありません…。
チャールズの足が遅すぎる
このゲームでは、先ほども書いたように自分でチャールズを操作しなければいけません。
しかしチャールズの移動速度が遅すぎますので、イライラすること間違いなしです。
特に屋上にある船長室から1番下のフロアの27号室にいるヘンリーのところまで移動するのは、考えただけでもイヤになります。
同じ階でも奇数と偶数の部屋は向かい合っていますので、その移動にもそこそこ時間がかかります。
もう少しプレイヤーのことを考えてくれたら良かったんですけどね。
例えばスーパーマリオのように、Bダッシュ機能でも付けてくれていたら全然違ったのですが…。
まず1つ目として「移動でうんざりさせること」がプレイヤーのやる気を削ぎ、事件解明を困難にしています。
ワトソンがうざい
チャールズはワトソンという助手を連れています。
見た目は小太りで中年の男性といった感じです。
ワトソンは自分で操作できませんが、チャールズを動かすと背後霊のように後ろを付いて回ります。
それだけでもうざいのですが、もっとうざいのは事件解明には全く何の役にも立たないことです。
常時一緒にいますが、事件については全く何のアドバイスもしてくれません。
しかもチャールズが罠にはまった時も全く助けようとしません。
「この高さから落ちては先生は…。もし最初からやり直すことができたら…」などとほざいているだけなのです。
こんな助手いらんわ。
2つ目として「助手の無能さ」も事件解明を困難にしていると言って良いでしょう。
文字が読みにくい
このゲームでは、誰かと会話する時などは画面の下に文字が流れます。
文字は全てひらがなとカタカナになっており、漢字が1つもありません。
まあそれはファミコンなので仕方ないでしょう。
ポートピア連続殺人事件でもそうでしたので、これについては別に文句はありません。
しかしこのゲームではなぜか変なフォントが使われており、文章が非常に読みづらいのです。
ポートピアは普通に読みやすかったので、同じにしてくれれば何の問題もなかったのですが…。
3つ目として「読みづらいフォントにして文字を読みにくくする」ことも事件解明を困難にしています。
そう言えば「燃えろ!!プロ野球」のフォントも読みにくかった記憶があります。
メモは1人につき3つまで
事件解明のためには、いろんな人にいろんな話を聞かなければいけませんよね。
確かにこのゲームでも、いろんな人にいろんなことを聞けます。
ですが、助手ワトソンはなぜか乗客1人に対してメモを3つまでしか残しません。
4つ以上メモさせるとどうなるかというと、古い順にどんどん上書きしていきます。
なので、残っているのは常に直近の3つだけという状態です。
ワトソンに言いたいことはただ1つです。
なんで3つだけやねん!全部メモれや!
もちろんこれが事件解明をさらに難しくしている4つ目の理由であることは間違いありません。
このゲームでは、無能な助手ワトソンとも戦いながら事件解明しなければいけないのです。
他の客が非協力的
チャールズが休暇を返上してタダで捜査しているというのに、この船の乗客は全く協力的ではありません。
部屋を訪ねると「勝手に何をしているんだ!」と怒鳴られたり、「ここは私の部屋ですよ。出ていって下さい」などと怪しいやつのように扱われたりします。
まあこちらも勝手に机を開けたりしていますので、分からなくはありませんが…。
それはまだいいとして、もっとひどいのは同じ質問には二度と答えてくれないことです。
冷たく「もう言いました」と返され、もう二度と同じ話はしてくれません。
この「同じ質問には答えてくれない」ことが事件解明を困難にしている5つ目の理由になっています。
その時ワトソンさんが何をしているかというと、ご丁寧に「もう言いました」とメモっています…。
このゲームでは、ワトソンとも非協力的な乗客とも戦いながら事件解明する必要があるのです。
詰んでいても気付かない
このような感じで、意味が分からないままゲームは進行していきます。
このゲームで事件解明に欠かせないのが「乗客からの証言」と「証拠品」です。
時にはメモや証拠品を乗客に見せて、その返事をまたメモしてまた誰かに見せる…ということも必要です。
しかし証拠品はいいとして、必要なメモを取り逃して二度と聞けなくなっていても誰も教えてくれません。
なので既に100%ゲームクリアできない状態になっていても、それが全く分からないのです。
これはある意味生き地獄ですよね。
この「詰んでいても分からない」ことが事件解明を困難にしている6つ目の理由です。
何しろ目に見えてゲームオーバーになるのは、チャールズが罠で死んだ時だけですからね。
BGMだけはいい
このゲームはハッキリ言ってクソゲーだと思いますが、BGMだけはなかなかいい感じです。
廊下を歩き回っている時のBGMもいいですし、各船室を訪問した時のBGMもいい感じです。
乗客1人1人でBGMが違っていて、またそれがその人の持つ雰囲気によく合っていてどれもいい感じなのです。
個人的にはアドベンチャーゲームとしてではなく、音ゲーとして評価したいですね。
ということで、今回は終わりにします。