前回の記事で、退職2年目の国保の保険料を試算しました。
その結果、試算では任意継続を続けるより約27万円安くなることが想定されました。
この記事では、任意継続から国保への切り替え方法と、実際にどのくらい安くなったのかを書いていきます。
退職2年目の健康保険をどちらにしようか悩んでいる人の参考になるかもしれません。
前回の試算を再掲

前回の記事では、2月の時点で翌年度の国民健康保険料を試算しました。
目的は、任意継続より国保の方が安くなりそうなら4月から切り替えるためです。
まずは、そのときの比較表をそのまま貼っておきます。
表1:任意継続と国保の保険料比較(2月の試算)
| 保険の種類 | 月額 | 年額 |
| 任意継続健康保険 | 3万5400円 | 42万4800円 |
| 国民健康保険(負担分の試算) | 約1万2580円 | 15万900円 |
(出典:筆者調べ)
ここまで差が出る理由は、任意継続と国保で「保険料の決まり方」が違うからです。
任意継続は、退職時点の標準報酬月額などを基に計算され、原則として2年間は保険料が変わりません。
国保は、所得割・均等割・平等割などを組み合わせて計算され、前年の所得などが反映されやすい仕組みです。
しかし、安くなりそうだとしても、問題は「いつ切り替えるか」です。
国保では、前年の所得で計算した保険料が、翌年度(4月〜翌年3月分)の保険料として決まります。
つまり、退職した年の所得で計算されるのは翌年の4月からになります。
そのため、私は退職2年目の4月に切り替えることにしました。
切り替え手順

私が加入していた任意継続は、協会けんぽです。
なので「協会けんぽ(全国健康保険協会)の任意継続」を例に、一般的な切り替え手順を整理していきます。
任意継続の保険者が健康保険組合などの場合は、提出先や様式、取り扱いが異なることがあります。
全体の流れ
任意継続から国保へ切り替えるときは、任意継続の資格を喪失させる必要があります。
それにはいくつかパターンがあり、協会けんぽの任意継続では、資格喪失の事由として次のようなものが案内されています。
- 就職して他の健康保険等の資格を取得
- 保険料を納付期限までに納付しない(未納)
- 後期高齢者医療制度の被保険者になる
- 任意継続をやめたい旨を申し出る(申出)
- 死亡
- 2年満了(期間満了)
今回のように「任意継続の途中で国保へ切り替える」ケースでは、協会けんぽの手続きとしては「申出」で資格喪失させるのが一般的です。
協会けんぽに申出
協会けんぽの任意継続を、申出でやめる場合は「任意継続被保険者資格喪失申出書」を提出します。
申出による資格喪失日は、申出が受理された日の属する月の翌月1日です。
4月1日から国保に切り替えたい場合は、3月中に受理されるように提出する必要があります。
協会けんぽの案内では、申出で喪失する場合「喪失希望月の前月中」が提出期限として示されています。
口座振替にしている場合は、4月分が引き落とされていないかを通帳やネットバンクで確認しておくと安心です。
後日届く資格喪失の通知(証明書類)は、次の国保の加入手続きで使います。
国保に加入する
国保の加入手続きは、住んでいる市区町村役所(区役所)の国保担当窓口で行います。
別窓口(サービスセンター等)で対応している自治体もあるので、事前に確認しておくと安心です。
国保の加入・脱退などの届出は、原則として「14日以内」に行う必要があります。
必要書類は自治体で違いますが、窓口で必ず聞かれるのは「資格喪失日」と「その証明」です。
そのため、加入手続きでは「資格喪失を証明できる書類」を用意しておくのが安全です。(名称は保険者により異なります)
以下は一例として、金沢市の案内をベースに整理します。
- 資格喪失日が分かる書類
資格喪失証明書、資格喪失通知など - 本人確認書類
マイナンバーカード、運転免許証など - マイナンバーが分かるもの
必要な自治体のみ - (必要に応じて)口座情報等
口座振替を希望する場合など
納付書を待つ
国保は、4月に加入手続きをしても、すぐには年度分の保険料(年額)が確定しません。
東京都北区では、保険料の通知は毎年6月に行われ、納付は6月から始まります。
そのため、4月に加入手続きをしても、金額は「6月の通知待ち」になります。
結果

6月に私の家に国民健康保険料の通知書が届きました。
ここからは、切り替えたあとに「実際に安くなったのか」を、通知書で確認します。
結論から言うと、国保(世帯の私の負担分)は年額で約15万円になりました。(端数は省略します)
まずは、任意継続と並べて比較します。
表2:任意継続(確定)と国保(確定)の保険料比較
| 保険の種類 | 月額 | 年額 |
| 任意継続健康保険 | 3万5400円 | 42万4800円 |
| 国民健康保険(負担分) | 約1万2500円 | 約15万円 |
(出典:納入通知書(納付書)を反映)
差額は、42万4800円-約15万円=約27万円台です。
固定費が年に約27万円下がるのは、めちゃくちゃ嬉しいですよね。
2月に出した試算結果(15万900円)と比較しても差は小さく、大きなズレはありませんでした。
つまり、計算がだいたい合っていたということになります。
まとめ:3月中の申出

この記事では、任意継続から国保への切り替え方法と、実際にどのくらい安くなったのかを書きました。
4月から切り替えたい場合は、3月から計画的に動き始める必要があります。
結果として年に約27万円下げることができたので、個人的には大成功と言ってもよいでしょう。
ただ、これはあくまで私のケースであって、誰でもこうなると限らないので、切り替える前に自己責任で計算してくださいね。
※本記事は2025年12月時点の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。





