資産4,000万円でFIREしたらどうなった?実家暮らし・月9万円生活で5年半過ごしてみた結果

和室の一角で穏やかな表情を浮かべる眼鏡の男性が、テーブルの上に積まれた札束と大きな袋を前に腕を組んで座っているイラスト。窓の外には青空と緑の木々が広がっている。 お金・投資

世の中には、会社を辞めてFIREしたい人が星の数ほどいると思います。

しかし、いざやろうとしても、なかなか決断できないんですよね。

この記事では、私が資産4,000万円でFIREを実行した経緯と、その後の資産の推移などについて書いていきます。

あまり参考にはならないかもしれませんが、ひとつの体験談として読んでもらえればと思います。

FIREを決断した理由とタイミング

オフィスのデスクに座り、頬杖をついてつまらなさそうな表情を浮かべる眼鏡の男性。机の上には書類やノートパソコンがあり、窓の外には曇り空とビルが見える。

私が会社を辞めてFIREをしたのは、資産が4,000万円に達したタイミングでした。

FIREを決意した理由は独身で実家住みという気楽な身分だったこともありますが、一番大きかったのは、やはり仕事が面白くなかったことです。

数年前から私は、「資産が4,000万円になったら辞める」と同僚に公言していました。

ただ、実のところ、自分の資産が4,000万円に達していたことには、直前まで気づいていませんでした。

これは前回の記事にも少し書きましたが、気づいた瞬間は正直ビックリしましたね。

とはいえ、「じゃあすぐ辞めたのか」というと、そうではありません。

そのまましばらくは続けていましたが、その頃には仕事へのモチベーションもすっかりなくなっており、普段ならしないミスも増えてきました。

そんな中で、ある出来事がきっかけになり、思わず「もう辞めます」と口にしてしまった──というのが、実際の流れです。

 

FIRE前に行ったお金のシミュレーション

緑の服を着た眼鏡の男性がテーブルで電卓を使いながら真剣な表情で資産シミュレーションをしているイラスト。机の上には札束とお金の袋があり、背景には上昇するグラフと窓の外にビルと青空が見える。

ただ、FIREを決断したとき、私は感情だけで「辞める」と言ったわけではありません。

ちゃんとシミュレーションをしたうえで「やっていける」と判断していました。

ここでは、私が実際に行った計算の内容をご紹介します。

 

資産の総額より「毎月いくら使えるか」が重要

私が一番重視したのは、「資産の総額」ではなく、そこから毎月どれだけ使えるのかという点でした。

その計算には、いわゆる投資の4%ルールを使いました。

このルールでは、「年間で資産の4%を取り崩しても、最低30年くらいは資産が持つ」とされています。

たとえば1,000万円あれば、年間で40万円取り崩しても大丈夫というイメージですね。

 

税金を考慮した手取り金額

ただし、注意しないといけないのは税金です。

取り崩すお金に運用益が含まれていれば、その利益部分に対して約20.315%の税金がかかります。

私はシミュレーションの中で、たとえば40万円のうち20万円が運用益だった場合を想定しました。

その20万円に課税されると、約4万円が税金として引かれ、手元に残るのは36万円ほどになります。

これを月割りすると、1,000万円あたり月3万円です。

つまり、4,000万円の資産があれば、月に12万円が手取りという計算をしました。

 

利回り6%、でも使うのは4%まで

ちなみに、私はインデックス投資の利回りはだいたい年6%で想定しています。

しかし、取り崩しの計算にはこの6%は使いませんでした。

なぜかというと、相場は毎年同じように増えるわけではなく、下がる年も当然あるからです。

何年も連続でマイナスになったときに、同じペースで取り崩してしまうと資産が一気に減ってしまいます。

それが怖かったんですよね。

そのため私は、増えるのは6%と見ておいて、実際に取り崩すのは4%までと決めていました。

そうすれば、年間240万円増えたとしても、使うのはそのうちの160万円になり、残りは再投資しているのと同じですからね。

年間80万円を再投資できるなら、順調にいけばむしろ資産は増えていくはず、と見込んでいました。

 

実際の生活費をどう見積もったか

和室のリビングで高齢の母親と向かい合い、生活費について真剣に相談している眼鏡の男性。テーブルの上には札束と書類が置かれ、窓の外には青空と木々が見える。

FIREを決断する前に、まず考えたのは「毎月どれくらいあれば暮らせるのか」という点でした。

私は実家暮らしだったので、まずはその前提条件を親に確認しました。

 

家賃の有無をまず確認

実家に住むにあたって、「家賃は取られるのか?」というのは最初に確認しました。

結果として、「いらない」との返事だったので、これは正直かなり助かりました。

おかげで、運用から得たお金をすべて自分の生活費に使えるという前提で計算ができるようになりました。

 

1日いくら使うかから逆算

次に考えたのは、「自分は1日にどれくらいお金を使うのか?」という感覚的な部分です。

1,000円ではさすがにちょっと厳しい。

2,000円なら不可能ではないけど相当カツカツ。

3,000円あれば普通に暮らせそう。

──そんなふうに考えていって、「1日3,000円」が自分の落としどころになりました。

 

月9万円で生活するイメージ

1日3,000円とすると、月に約9万円です。

そして、先ほどのシミュレーションでは月12万円の手取りが見込めていたので、9万円あれば十分に暮らせると判断しました。

予想以上にお金がかかったとしても、3万円残っていればなんとかなるでしょうと(笑)

逆に余った場合は、取り崩さずに再投資に回せばよいわけですしね。

どうしてもお金が足りないのであれば、最悪また働けば良いとも思っていました。

 

FIRE後の5年半で起きたこと

青い服を着た眼鏡の男性がテーブルに座り、積まれた札束やお金の袋のそばで、上昇するグラフを見ながら満足げに微笑んでいる。窓の外には青空と緑の木々が広がっている。

想定通りに収まった生活費

実際に会社を辞めたのが今から5年半ほど前のことです。

生活費については想定通りで、月8万円から9万円の間にしっかり収まってくれました。

家賃がかからないという前提も含めて、そこはほとんど誤算はなかったと思います。

 

コロナショックで資産が一時急落

問題は、「資産が減っていないか」「計画通りに増えていったか」という点です。

私は「取り崩しは4%、運用は6%で見ておく」という設計をしていたので、理屈の上では、資産は減らずにゆるやかに増えていくはずでした。

ところが、会社を辞めた直後にコロナショックが来ました。

あのときは株価が急落して、資産もガクンと減ってしまい、さすがに焦りました。

ただ、そこからの回復が非常に早く、その後の相場は言うまでもありません。

途中でいくつかの調整局面、たとえば石破ショックやトランプ関税ショックなどがありましたが、全体としては絶好調と言って良いと思います。

 

気づけば2,700万円増加していた話

私がFIREを決断した当時の資産はおよそ4,000万円ほどでしたが、会社からの退職金が約200万円あったので、実質4,200万円スタートという感じでした。

そして今、5年半が経った現在の資産は、およそ6,900万円まで増えています。(2025年10月時点)

つまり、約2,700万円の増加です。

ただ、これは正直なところ、かなり運が良かったのだと思います。

当然ながら、この好調がいつまで続くかは分かりません……。

ちなみに、生活費は資産が増えた今でもまったく変えていません(笑)

 

まとめ:生活コストと資産のバランスをどう見るか

眼鏡をかけた男性が、天秤のように並べられた家計のコインと資産のグラフを見比べながら、穏やかな表情で考えているイラスト。背景には柔らかな光と植物が描かれ、落ち着いた雰囲気を漂わせている。

この記事では、私が資産4,000万円でFIREを実行した経緯と、その後の資産の推移などについて書きました。

FIREする前に、毎月の生活費といくらまで取り崩せるかをしっかり計算しておくことが大切です。

取り崩しの目安は、「1,000万円につき毎月の手取り3万円」で計算すれば良いと思います。

ただ、資産が増えるまでFIREを待つか、生活レベルを下げてでも早くFIREするかは難しいところですね。