FIREを現実にする資産戦略:5,000万円から1億円へ、最短で到達する2つの方法

後ろ姿の男性が、左にある「5,000万円」の金貨の山と、右にあるより高い「1億円」の金貨の山を見比べて立っているイラスト FIRE

FIRE達成の目標として、まず5,000万円を目指す人は多いと思います。

ただ、5,000万円を達成すると、その先にある「1億円」を意識するようになる人も少なくありません。

この記事では、5,000万円の資産を1億円に増やすための方法とかかる時間について書いていきます。

資産を5,000万円から1億円に増やそうと考えている人の参考になるかもしれません。

1億円あれば現実的?

男性が小さな金貨の山から大きな金貨の山を見つめ、上向きの矢印が資産の成長を示しているイラスト

前回の記事では、4%ルールに基づけば、5,000万円の資産から毎月およそ15万円の取り崩しができると書きました。

ただ、月15万円では「まだ不安」「もう少し余裕が欲しい」という人も少なくないはずです。

そういう人にとっては、資産を5,000万円から1億円に増やすという選択肢もあるでしょう。

1億円あれば、同じ4%ルールでも毎月の手取りは約30万円に増えますからね。

これだけあれば、多くの人はFIREが現実的になってくるでしょう。

では、資産を5,000万円から1億円に増やすにはどうすればいいのか。

その方法は、シンプルに言ってこの2つです。

  • 積立投資を続けて増やす
  • 今ある資産を寝かせて増やす

今回はこの2つの方法で、「1億円に到達するまでに何年かかるのか」を比較してみます。

 

積み立てで目指す方法

若い男性が金貨を積み上げながら、右肩上がりのグラフに沿って成長するコインの山を見つめているイラスト

前回の記事では、資産0円から5,000万円に増やすのに必要な期間を調べました。

その結果、利回り6%では毎月11万円の積立投資で19年10ヶ月かかるということが分かりました。

詳しくは、前回記事を見てください。

今回は、同じ条件で積み立てを継続した場合、1億円に到達するまでの期間を見てみます。

 

積立シミュレーション

以下は、積立額と利回りごとに、0円から1億円に到達するまでの年数をまとめた表です。

前回と同じく、縦軸が毎月の投資額、横軸が利回りになっています。

表1:1億円到達までの期間(毎月の投資額×利回り別)

毎月の投資額 利回り3% 利回り4% 利回り5% 利回り6% 利回り7%
1万円 108年9ヶ月 88年7ヶ月 75年3ヶ月 65年8ヶ月 58年6ヶ月
2万円 86年10ヶ月 71年11ヶ月 61年10ヶ月 54年5ヶ月 48年10ヶ月
3万円 74年7ヶ月 62年5ヶ月 54年1ヶ月 48年0ヶ月 43年3ヶ月
4万円 66年1ヶ月 55年11ヶ月 48年10ヶ月 43年6ヶ月 39年4ヶ月
5万円 59年10ヶ月 51年0ヶ月 44年9ヶ月 40年1ヶ月 36年5ヶ月
6万円 54年10ヶ月 47年1ヶ月 41年6ヶ月 37年4ヶ月 34年0ヶ月
7万円 50年9ヶ月 43年10ヶ月 38年10ヶ月 35年0ヶ月 32年0ヶ月
8万円 47年4ヶ月 41年1ヶ月 36年7ヶ月 33年1ヶ月 30年4ヶ月
9万円 44年4ヶ月 38年9ヶ月 34年8ヶ月 31年5ヶ月 28年10ヶ月
10万円 41年10ヶ月 36年9ヶ月 32年11ヶ月 29年11ヶ月 27年6ヶ月
11万円 39年7ヶ月 34年11ヶ月 31年5ヶ月 28年7ヶ月 26年5ヶ月
12万円 37年7ヶ月 33年3ヶ月 30年0ヶ月 27年5ヶ月 25年4ヶ月
13万円 35年10ヶ月 31年10ヶ月 28年9ヶ月 26年4ヶ月 24年5ヶ月
14万円 34年2ヶ月 30年6ヶ月 27年8ヶ月 25年5ヶ月 23年6ヶ月
15万円 32年9ヶ月 29年4ヶ月 26年8ヶ月 24年6ヶ月 22年9ヶ月
16万円 31年5ヶ月 28年2ヶ月 25年8ヶ月 23年8ヶ月 22年0ヶ月
17万円 30年2ヶ月 27年2ヶ月 24年10ヶ月 22年11ヶ月 21年4ヶ月
18万円 29年1ヶ月 26年3ヶ月 24年0ヶ月 22年2ヶ月 20年8ヶ月
19万円 28年0ヶ月 25年4ヶ月 23年3ヶ月 21年7ヶ月 20年1ヶ月
20万円 27年1ヶ月 24年7ヶ月 22年7ヶ月 20年11ヶ月 19年7ヶ月

(出典:楽天証券積立シミュレーション

 

5,000万→1億円は何年?

前回の調査では、利回り6%で毎月11万円の積み立てで、0円から5,000万円に増やすには19年10ヶ月かかりました。

今回は、同じ条件で積み立てを続けたときにどのくらいの期間で1億円に到達するかを見ることにします。

すると、利回り6%の毎月11万円では28年7ヶ月となっています。

つまり、5,000万円に到達してから8年9ヶ月で資産が1億円になるというわけです。

0円から5,000万円では19年10ヶ月かかっているため、大幅に短縮していますね。

これはまさに、複利の力が本領を発揮してきた結果といえるでしょう。

 

寝かせて増やす方法

椅子にゆったり座る男性がリラックスした表情で寝そべりながら、右側で大きく伸びるコインの山と上昇する矢印を見守っているイラスト

次に、5,000万円を寝かせた場合、1億円になるまでにどのくらいの期間を要するのかを調べていきます。

追加投資を一切せず、複利の力だけに任せる方法ですね。

これを計算するには「72の法則」がたいへん便利です。

金利(利回り)を決めるだけで、資産が2倍になる年数を簡単に調べることができます。

計算が簡単なわりに精度も高く、覚えておいて損はありません。

 

72の法則でざっくり計算

「72の法則」の計算式は以下の通りです。

72 ÷ 利回り(%)= 資産が2倍になるまでの年数

たとえば、利回りが6%の場合はこうなります。

72 ÷ 6 = 12年

この式から、利回り6%で運用した場合、約12年で資産が2倍になると見積もれます。

つまり、利回り6%では12年間寝かせておくだけで5,000万円が1億円になるというわけです。

 

3つのケースを比較

3段階に積み上がる金貨の山と、それぞれに向かって伸びる上昇矢印を見上げる2人の男性のイラスト。左の若い男性は最初の山を見つめ、右の男性は大きな金貨を手にしている。

ここまで見てきた、積み立てて増やす方法と寝かせて増やす方法。

そして、前回の記事で紹介したゼロから5,000万円をつくる方法。

この3つの方法を、かかる年数で比較してみましょう。

  • 毎月11万円積み立て、0円から5,000万円 → 19年10ヶ月
  • 毎月11万円積み立て、5,000万円から1億円 → 8年9ヶ月
  • 投資して寝かせるだけ、5,000万円から1億円 → 約12年

 

結局、持ってる人が強い

この3つの比較を見て、ひとつだけ分かることがありますね。

最初から5,000万円投資しているだけで、ゼロからスタートするより圧倒的に有利であるということです。

正直、毎月11万円を積み立て続けたとしても、寝かせた場合と比べて3年程度の違いしかありません。

世の中は、資産を持っている人ほど有利にできている──その現実がよく分かります。

しかし、5億円の資産があれば、6%の利回りで12年寝かせておけば10億円になるわけですか……。

……羨まし過ぎですね。

とはいえ、現実を嘆いているだけでは何も始まりません。

少しでも早く「そっち側」に回れるよう、現実を知った上で、計画的に資産を積み上げていきたいところです。

 

まとめ:お金がある人ほど早い

大きな円マーク入りの袋と金貨の山を背景に、困った表情の若者と微笑む男性が対照的に描かれているイラスト。背景には右上がりの矢印が伸びている。

この記事では、5,000万円の資産を1億円に増やすための方法とかかる時間について書きました。

利回り6%では、毎月11万円の積み立てで8年9ヶ月、寝かせておくだけでも約12年で達成できます。

どちらにしても、ゼロからのスタートよりは圧倒的に早くなります。

世の中は金持ちほど楽にお金が増える仕組みになっていますが、地道に増やしていくしかありませんね。