投資の成否を分けるのは、アセットアロケーションという名の設計図です。
銘柄選びに時間をかけるよりも、この配分を維持するほうが長期的な成果には影響します。
今回は資産の基本的な仕組みや、過去20年の実績データを整理しました。
私自身が実際に採用している具体的な配分についても紹介します。
資産配分の定義と重要性
アセットアロケーションという言葉は、2つの概念が組み合わさってできています。
まずはそれぞれの意味を確認してみましょう。
- アセット
株式、債券、リート(不動産)、現金といった資産の種類そのもの。 - アロケーション
それらの資産を、どのような割合で振り分けるかという配分。
つまりアセットアロケーションとは、自分なりの設計図を資金の何%ずつ割り当てるか決めることです。
運用成績の約91%はこの配分によって決まるとされており、個別の銘柄選びよりも遥かに重要な作業となります。
各資産の分類と実績
先ほど確認した2つの概念のうち、まずはアセット(資産)について詳しく見ていきましょう。
アセットアロケーションを構成する要素を、地域と資産の性質に分けて整理します。
各カテゴリーにおいて、リターンとリスクがどのような序列になっているかを知ることが重要です。
それぞれの資産が持つ役割を理解するため、順番に確認していきましょう。
地域ごとの分類
投資対象となる国や地域は、大きく分けて3つのカテゴリーに分類されます。
一般的に、期待できるリターンの高さとリスクの大きさは、新興国>先進国>日本の順になります。
表1:地域の分類と定義
| 分類 | 定義 |
| 日本 | 国内の資産。日常的に使用している円建ての資産。 |
| 先進国 | 米国や英国などの成熟した主要国。安定した経済基盤を持つ。 |
| 新興国 | インドや中国などの成長が著しい、発展途上の国々。 |
(出典:金融庁など)
資産の種類と特徴
資産そのものの性質によって、期待できるリターンやリスクの役割が異なります。
期待リターンとリスクの序列は、一般的に株式>リート>債券の順になります。
表2:資産クラスの定義と仕組み
| 資産名 | 仕組み |
| 株式 | 企業が発行。高いリターンを狙う「攻め」の資産。 |
| 債券 | 国等に貸付。元本の安定性を重視する「守り」の資産。 |
| リート | 不動産。株式と債券の中間的な性質を持つ資産。 |
| コモディティ | 金や原油。物自体に価値があり、インフレに強い資産。 |
(出典:金融庁など)
20年の運用実績データ
実績データを見るうえで理解しておきたい指標が3つあります。
「年率平均リターン」は収益率、「リスク」は価格の振れ幅、「シャープレシオ」は効率の良さを示すスコアです。
これらを踏まえて、マイインデックスの統計データを整理しました。
表3:主要資産のリスクとリターン実績
| 資産名 | 年率平均リターン | リスク | シャープレシオ |
| 日本株式 | 6.0% | 16.5% | 0.36 |
| 米国株式 | 12.3% | 18.3% | 0.67 |
| 先進国株式 | 11.0% | 18.8% | 0.59 |
| 新興国株式 | 7.8% | 22.0% | 0.36 |
| 日本債券 | 0.5% | 2.2% | 0.24 |
| 先進国債券 | 3.9% | 8.6% | 0.45 |
| 新興国債券 | 7.0% | 11.5% | 0.61 |
| 日本リート | 5.4% | 17.5% | 0.31 |
| 先進国リート | 6.8% | 21.4% | 0.32 |
| 新興国リート | 5.6% | 22.4% | 0.25 |
| コモディティ | 1.3% | 18.5% | 0.07 |
| 金 | 13.2% | 17.0% | 0.78 |
| 現金 | 0.1% | 0.1% | 1.9 |
(出典:マイインデックス)
過去20年の実績においても、上述したリスクとリターンの相関関係が具体的な数値として裏付けられています。
株式やリートは期待どおり高い収益を上げている一方で、価格の振れ幅というリスクも相応に大きいことがわかるはずです。
GPIFの運用モデル
アセット(資産)の性質を理解したところで、次はそのアロケーション(配分)について見ていきましょう。
初心者が配分を考えるうえで、アロケーションの代表的なお手本となるのが公的年金を運用するGPIFです。
前項の実績データで確認した資産ごとの振れ幅を考慮し、まさに理想的なバランスで設計されています。
攻めの株式と守りの債券を25%ずつ均等に組み合わせることで、リスクを抑えながら目標利回りを確保する仕組みです。
2001年度の市場運用開始から現在まで、年率平均で4.36%という安定した収益を上げ続けています。(資産配分は5年ごとに見直されていますが)
表4:GPIFの目標管理ルール※1
| 資産区分 | 国内債券 | 外国債券 | 国内株式 | 外国株式 |
| 資産構成割合 | 25% | 25% | 25% | 25% |
| 乖離許容幅(各資産) | ±6% | ±5% | ±6% | ±6% |
| 乖離許容幅(全体) | ±9% | ±9% | ||
※1 2025年度からの第5期中期目標期間における基準値です。
(出典:年金積立金管理運用独立行政法人)
乖離許容幅とは、あらかじめ決めた比率から実際の比率がズレても良いとされる範囲のことです。
比率へ修正を行うための指標として機能し、コストを抑えつつ理想の形を維持する役割を担っています。
私のアセットアロケーション
アセットアロケーションを考える際、私は公的年金を運用するGPIFのモデルが基本になると考えています。
まずはプロが導き出した完成された型を模倣し、投資の土台を固めることが先決だと思うからです。
実際に運用を続けながら自分なりの根拠やこだわりが見えてきた段階で、少しずつカスタマイズしていけば何の問題もありません。
ただ、私は最初からそれをしていませんけどね(笑)
現在の資産構成
なぜなら、現在は管理の効率化と自分のリスク許容度を優先し、楽天証券の楽ラップ(かなり積極型)と全く同じ配分を採用しているからです。
この構成は公式サイトで詳細が公開されているため、口座の有無に関わらず誰でも内容を確認できます。
楽天証券の口座を作る必要もありません。
ざっくりの資産配分は国内株式30%、先進国株式(日本除く)40%となっており、残りの30%を新興国株式、国内債券、先進国債券、リート、現金などに割り振っています。
採用理由とリスク許容度
楽ラップと全く同じにしている理由は、単純に楽だからです。
自分であれこれと考える必要がありません。
私にはアセットアロケーションを自分で作る能力はありません。
だから何かの真似をすることになります。
それがたまたま私がお金を投入していた楽ラップだっただけのことです(笑)
楽ラップには大まかに5つの運用コースがあります。
表5:楽ラップの運用コース別実績比較
| コース名 | 特徴 | 年平均リターン※1 |
| 保守型(1000100) | 債券中心で安定性を優先する。 | 3.46% |
| やや保守型(1000200) | 債券を主軸にしつつ攻めも意識。 | 5.52% |
| やや積極型(1000300) | 収益性と安定性のバランスを重視。 | 7.63% |
| 積極型(1000400) | 株式を多めに組み入れ収益性を追求。 | 9.61% |
| かなり積極型(1000500) | 株式中心の配分でとことん収益を追求。 | 11.38% |
※1 2016年7月4日から2026年1月31日までの実績から算出。信託報酬控除後、手数料控除前。
(出典:楽天証券)
最初はど真ん中の「やや積極型」にしていましたが、私は現在独身で実家住まいのため、今の生活環境ならもう少しリスクを取れると判断しました。
そこで思い切って、1年ほど経過したタイミングで「かなり積極型」に切り替えました。
それ以来、現在に至るまでずっと「かなり積極型」の配分を維持し続けています。
蛇足ですが、現在は自分でも同じ運用ができるようになったため、楽ラップ自体は解約しています。
楽ラップに払う手数料がもったいないですからね(笑)
今後の管理方針
基本的な管理方針としては、今後も淡々と楽ラップのかなり積極型の配分に追従していくだけです。
2026年現在の資産は約7000万円ですが、たとえ1億円や2億円に増えたとしても、基本となる配分を変えるつもりはありません。
ただ、将来的にリターンを追う必要がないと判断した段階で、より安定したモデルへの移行を検討する可能性はあります。
それがいくらなのかは現段階ではわかりませんが……。
まとめ:納得の配分を維持する
資産ごとのリターンとリスクの序列を理解することが、納得できる配分への近道です。
実績データを根拠にした既存のモデルを真似る戦略は、判断の迷いを断つために有効です。
決めた配分を信じて淡々と維持し続けることが、長期的な成功へと繋がるはずです。
この記事が、迷いのない資産運用を始めるためのきっかけになれば幸いです。