失業保険(正式には雇用保険の基本手当)では、原則として1回の認定対象期間(おおむね4週間)に2回以上の求職活動実績がないと基本手当を受け取ることができません。
その実績作りの手段として手軽なのが、ハローワークの窓口で行う職業相談です。
この記事では、実際に私が職業相談をしたときの会話の様子と、簡単にハンコをもらうコツを書いていきます。
職業相談で求職活動実績を作りたい人の参考になるかもしれません。
職業相談の概要

ここでは、ハローワークの職業相談がどのようなものか、概要を整理しておきます。
求職活動としてカウントされるのは、たとえばハローワークでの職業相談、セミナー受講、会社の面接などです。
このうち、この記事で詳しく扱うのは「ハローワークでの職業相談」です。
職業相談では、窓口の担当者に希望条件を伝えて求人を探してもらったり、求人票の内容について説明を受けたりします。
職業相談そのものの流れは、だいたい次のようなイメージです。
- 当日に受付で「職業相談をしたい」と伝える
事前予約は不要で、来所した日にそのまま申し込めることが多いです。 - 必要書類を窓口に出す
雇用保険受給資格者証など、ハローワークから案内されている書類を渡して、受付票や番号札を受け取ります。 - 番号を呼ばれたら担当者と相談する
希望する職種や勤務条件などを伝え、条件に合いそうな求人を検索してもらいます。 - 求人票や一覧を印刷してもらう
気になる求人があれば詳細を印刷してもらい、一覧ごと持ち帰って検討します。 - 最後にハンコを押してもらう
雇用保険受給資格者証にハンコが押され、求職活動実績としてカウントされます。
相談時間は長くても10~20分程度で終わることが多く、求職活動の中では比較的取り組みやすい方法です。
ハローワーク墨田「雇用保険受給資格者の皆様及びこれから手続きされる皆様へ」
私の体験

ここからは、私が実際に3回ハローワークで職業相談をしたときの様子を、会話形式でまとめておきます。
1回目:手探りの相談
初回は、職業相談の空気感を学んだ回でした。
私はFIREも考えていたため、何が何でも職を探そうという気はありませんでした。
とはいえ、求職活動実績を作らなければ失業保険がもらえないため、仕方なく行ってみたという感じです。
担当者は優しそうなおじいさんでした。
何を聞けばいいのか全く分かりませんが、とりあえず適当に質問してみます。
よろしくお願いします。
前と同じ職種で何かいい求人ありませんか?
ではちょっとリストを印刷してみます。
(印刷が終わるのをボーっと待つ)
○○で絞った一覧のリストです。
(50社くらい載っているリストを渡される)
こんなに多いとどれにしようか迷いますね…。
(適当にピックアップする)
…これとこれの詳細情報を印刷してください。
分かりました、少々お待ちください。
(印刷が終わるのをボーっと待つ)
あ!
どうしました?
今選ばれた求人は年齢オーバーでした。
そうですか、じゃあ他のを探してみます。
(だんだん疲れてくる)
…ゆっくり考えたいので持ち帰って検討していいですか?
分かりました、お疲れさまでした。
最後に求職活動実績の証明となるハンコを押してくれて、職業相談は終わりです。
職業相談をしてみた感想は「思っていたよりもずっと簡単」でした。
「ホントに仕事探す気あるのか?」などと勘ぐられるようなこともありません。
これなら大丈夫そうだと感じました。
所要時間は5~10分といったところです。
2回目:若い担当者と名乗り忘れ
2回目は、若い担当者に「最初に名乗る」ことをきっちり求められた回でした。
前回の窓口は年配の方でしたが、2回目は若いお姉さんが対応してくれました。
ちょっと事務的で冷たい感じでしたね。
相談の内容は、ざっくり書くとこんな感じでした。
よろしくお願いします。
それで今日の相談ですが…。
まずお名前をお願いします。
…○○と言います。
新しい求人で良さそうなやつはありませんか?
…何か希望の職種はありますか?
今求人が多いのはどういう職種ですか?
そうですね、今は警備関係の仕事が割と多いですね。
そうですか。
じゃあ警備の仕事で最近出た求人をピックアップしてもらえますか?
…分かりました。しばらくお待ちください。
(さすがに印刷するのが早い)
お待たせしました、ご確認ください。
(真剣に見る振りをして)持ち帰って検討してみます。
今日はありがとうございました。
(ハンコを押してくれて)お疲れさまでした。
とまあ、こんな感じでした。
なるほど、座ったら最初にきちんと名乗ることが重要なんですね。
勉強になりました。
終始冷たい感じの対応でしたが、求職活動実績となるハンコは押してくれたので良しとします。
3回目:認定日前日に駆け込み
3回目は、「実績が1回足りない状態で、認定日前日に駆け込んだ」回でした。
認定日とは、求職活動実績をチェックする日です。
認定日までに求職活動実績が足りていなければ、失業保険はもらえません。
まだ1回足りていなかったので、このときは期限ギリギリでした。
今度は1回目とは別の優しそうなおじいさんが対応してくれました。
○○と申します。(前回注意されたのでまず名乗る)
今日はよろしくお願いします。
本日はよろしくお願いします。
それで今日の相談なんですが…。(準備していた相談を切り出そうとする)
ハンコ押しておけばいいですか?
はい?
それで今回の相談なんですけど…。
(ハンコをポンと押しながら)何かありますか?
親の介護で週3日しか働けないのですが…。
そういう求人をピックアップしてもらえますか?
ああ、そういうことですか。
じゃあ調べてみますので少し待ってくださいね。
(とりあえず間を持たせる)
…最近の求人数はどうですか?
前よりは少なくなってきてますね。
いつになったらまた求人増えますかね?
やはりここは観光地ですからね。
観光客が戻ってきたらまた増えると思いますよ。
そうですか、少し先になりそうですね。
(A4数枚の一覧を渡してくれて)ではじっくり検討してください。
はい、今日はありがとうございました。
とまあ、こんな感じの緩い時間でした。
まさか相談も聞かずにハンコを押してくれるとは思いませんでした。
どうも求職活動実績目当てだということが最初からバレバレだったようです。
おそらく認定日前日は求職活動実績目当ての人が多いのでしょうね。
その手の対応は慣れたものという感じでした。
職業相談のコツ

私は3回職業相談をしましたが、簡単に終わらせるには、以下の手順が手っ取り早いです。
- 何か条件を言って、求人リストを出してもらう。
- 「家でじっくり検討します」と言う。
これでハンコがもらえます。
なお、認定日前日は混みやすいので、対象期間の前半で1回、後半で1回というイメージで職業相談やほかの求職活動を分けておくと、精神的にも少し楽になります。
条件については基本的に何でもよいですが、例としては以下のような感じでよいでしょう。
- ○○の職種で探したいのですが…
- 家庭の事情で残業ができないのですが…
- マイカー通勤したいのですが…
- ○○駅付近が良いのですが…
何か条件を伝えて「求人情報の一覧が欲しい」と言えばOKです。
そうすると、担当者はその条件に合った求人を検索して、一覧を印刷してくれます。
一覧をもらったら「家でじっくり検討します」と伝えればOKです。
担当者も「今すぐ決めろ」とは言いません。
最後にハンコをポンと押してくれて、職業相談は終了です。
まとめ:職業相談で実績を作る

この記事では、実際に私が職業相談をしたときの会話の様子と、簡単にハンコをもらうコツを書きました。
求職活動実績を簡単に作りたいなら、ハローワークの職業相談が1番手っ取り早い方法だと思います。
受付の混み具合にもよりますが、早ければ10分ほどで終わります。
とりあえず何か条件を伝えて求人リストを出してもらい、「家でじっくり検討します」と伝えればOKです。
※本記事は2025年12月時点の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。


