タバコをやめたら何年で家が購入できるのかを、何人かの例でシミュレーションしてみます。
今回の検証について
ある男性5人は540円のタバコを毎日1箱吸っていました。
今月同時に30歳を迎える彼らは、ふと思いつきました。
タバコをやめてそのお金を貯めれば、いつかはキャッシュで家が買えるんじゃないかと。
そう思い立ったが吉日とばかりに、5人は30歳の誕生月からタバコ代を投資に回すことにしたのでした…。
家の価格
下記のサイトによると、家の価格は次のようになっていますのでこれを参考にします。
購入価格の全国平均は、土地付注文住宅が4,256.8万円、建売住宅が3,494.3万円、マンションが4,521.0万円、中古戸建が2,574.0万円、中古マンションが3,109.6万円となっています。
検証条件
ということで、下記の条件で検証していきます。
- 毎月積立額は540円×30日で1万6200円
- 一番安い中古戸建の2574万円が貯まった時点で終了
- 開始は30歳0ヶ月から
- 遊びなので税金は考慮しない
5人の登場人物の説明
今回の検証には、次の5人の男性(フィクション)に登場してもらいます。
- 謹厳実直なAさん
お金儲けの上手い人は悪い人だ、という家庭で育ちました。
投資などには見向きもせず、ひたすら某大手銀行に預金し続けます。 - 他人任せでお気楽なBさん
子供の頃から過保護な両親のもとで幸せに暮らしてきました。
投信のことはよく分かりません。
とりあえず営業マンに勧められるまま、おススメの投信を買いました…。 - ひたすら堅実なCさん
子供の頃から何事も一生懸命勉強してきました。
投信も勉強した結果、株式はリスクが大きいので債券100%にします。
もちろんインデックス投資です。 - 優柔不断で世渡り上手なDさん
投信をやっている知り合いに教えてもらい、インデックス投資を。
何事もバランスが大切、株式50%、債券50%で投信を購入します。
出世のストレスで40代はまた喫煙してしまいましたが、50歳から再び禁煙します。 - 意志は弱いがイケイケのEさん
債券なんか生ぬるい、どうせ投信をやるなら株式100%で。
たまたまネットで調べたインデックス投資をやることにします。
しかし意志が弱いので、禁煙は10年で挫折してしまいました…。
謹厳実直なAさん
昭和生まれの父と母にお金の正しい教育を全く受けずに育ってきた、まさに謹厳実直を絵に描いたようなAさん。
子供の頃から貯金を趣味としていました。
さて、某大手銀行の金利は0.001%でした。
そこに毎月1万6200円をコツコツ預金していきます。
その結果は下記のようになりました。
家が買える年齢 | 累計投資額 | 貯まる金額 | 複利効果 |
162歳4ヶ月 | 2572万5600円 | 2574万2618円 | 1万7018円 |
はい、家を買う前に死亡しました…。
130年も預金し続けて、利息が2万円にもなりません…。
これでも税金引いていませんからね。
税金を引くともっと恐ろしいことになります。
50歳にしてまだ500万円にも届いていないことに気付いた時に、おそらく死ぬまでに家は買えないと悟ったでしょう。
他人任せでお気楽なBさん
次は何事も他人まかせでお気楽に生きているBさんを見ていきましょう。
某営業マンに勧められるままにぼったくり投信を購入してしまったBさんですが、金利は何とか年率平均1%を確保しました。
ホントにショボい投信ではマイナスになることもありますが、ここは大目に見てあげるとしましょう。
毎月1万6200円をコツコツ投資していきます。
その結果は下記のようになりました。
家が買える年齢 | 累計投資額 | 貯まる金額 | 複利効果 |
114歳6ヶ月 | 1642万6800円 | 2574万3589円 | 931万6789円 |
はい、家を買う前に死亡しました…。
60歳を過ぎた頃から徐々に複利効果が見え始めますが、年利1%ではいかんせんパワー不足です。
60歳でまだ500万円ちょっとだと気付いた時にはもう手遅れです。
死ぬ間際に、投信を買う時に担当だった営業マンの顔を思い出すことでしょう。
ひたすら堅実なCさん
次は慎重派でひたすら堅実に債券だけの投資信託を買い続けたCさん場合を見ていきましょう。
債券100%なので、結果的に金利はやや低めの年率平均3%となりました。
その結果は下記のようになりました。
家が買える年齢 | 累計投資額 | 貯まる金額 | 複利効果 |
83歳11ヶ月 | 1048万1400円 | 2576万2053円 | 1528万0653円 |
はい、家を買ったと同時に死亡しました…。
複利は1500万円以上ありましたが、目に見えて加速してきたのが60歳を過ぎてからではちょっと遅すぎます。
念願のマイホームには、どうやら孫が住むことになりそうです。
優柔不断で世渡り上手なDさん
次は優柔不断で世渡り上手なDさんを見ていきましょう。
Dさんは生まれつきバランス感覚に優れ、世渡り上手に生きてきました。
株式も債券もバランス良く買うことに決め、運良く年率平均5%で運用できました。
しかし優柔不断なため、40代はまたタバコを吸い始めてしまったので投資はしていません。
しかしこれではダメだと思い、50歳になると同時にタバコとはきっぱりサヨナラして投資も再開しました。
その結果は下記のようになりました。
家が買える年齢 | 累計投資額 | 貯まる金額 | 複利効果 |
76歳10ヶ月 | 716万400円 | 2583万3365円 | 1867万2965円 |
はい、リタイアして悠々自適に暮らしている頃に家が買えそうです。
40代の無投資期間が今となっては悔やまれますが、過ぎてしまったことは仕方ありません。
しかし、40代も複利効果だけでお金は順調に増えています。
投資を再開した50歳からは複利効果の影響でお金はグングン増え始め、最終的には1867万円もの複利を叩き出しました。
40代はタバコをプカプカ吸っていたにもかかわらず、堅実派のCさんより7年も早く念願のマイホームを手に入れられました。
めでたしめでたし。
意志は弱いがイケイケのEさん
次は意志薄弱ですが、イケイケで投資したEさんを見ていきましょう。
Eさんは株式のみの投資信託に投資し続け(と言ってもたった10年ですが)、幾度の暴落を乗り越えながらも超ラッキーなことに年率平均7%で運用できました。
しかしどうしても喫煙の欲求に耐えられず、結局40歳からはタバコを吸うようになってしまいそれ以降は1円も投資していません。
その結果は下記のようになりました。
家が買える年齢 | 累計投資額 | 貯まる金額 | 複利効果 |
72歳12ヶ月 | 194万4000円 | 2584万871円 | 2389万6871円 |
はい、それでもリタイアして間もなく念願のマイホームが手に入りました。
投資期間はたった10年間で194万円しか投資せず、しかも40歳からずっとタバコを吸い続けているのにこの結果です。
42年間で複利はなんと2389万円になり、ほとんど複利だけで家を手に入れたようなものです。
まさに複利のパワーを見せつけた結果になりました。
めでたしめでたし?
まとめ
今回の検証結果をまとめると、下記のようになります。
人物 | 家が買える年齢 | 累計投資額 | 貯まる金額 | 複利効果 |
Aさん | 162歳4ヶ月 | 2572万5600円 | 2574万2618円 | 1万7018円 |
Bさん | 114歳6ヶ月 | 1642万6800円 | 2574万3589円 | 931万6789円 |
Cさん | 83歳11ヶ月 | 1048万1400円 | 2576万2053円 | 1528万0653円 |
Dさん | 76歳10ヶ月 | 716万400円 | 2583万3365円 | 1867万2965円 |
Eさん | 72歳12ヶ月 | 194万4000円 | 2584万871円 | 2389万6871円 |
あくまで遊びなので何の他意もなく、これで何を言いたいとかは一切ありませんけど、やはり複利というものは凄いですね。
普通にやるとDさんとEさんが圧勝しそうなので少しハンデを付けてみましたが、それでも勝ってしまいました。
それだけ投資は利回りと時間が重要だということですね。
ということで、今回は終わりにします。