【ジョージ・ハリスン】Gone Troppoを独断と偏見でレビュー

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前回からの続きです。

アルバム全体の印象

「Gone Troppo」は1982年10月に発売されました。

このアルバムを出した後、ジョージは5年間の休養に入ってしまいます。

前作の「Somewhere in England」では、ポップでないとの理由で4曲も差し替えを喰らってしまいました。

それで音楽業界がイヤになったのか、ジョージはこのアルバムの宣伝活動を全くしなかったそうです。

とは言え腐っても元ビートルズなので宣伝しなくてもそれなりに売れたのかと思いきや、全米で108位が最高と全然売れなかったようですね。

なので巷では、ジョージの一番の駄作とか一番売れなかったアルバムとか散々こき下ろされています。

自分もそういう評判を知っていたので、とりあえずCDは買いましたが持っているだけで長らく聴いていませんでした。

ショボい音楽を聴くほど無駄な時間はありませんからね、如何にジョージファンと言えどもなかなか聴こうという気にならなかったというわけです。

しかし最近は家で仕事する機会が多くなり、BGMとしてジョージハリスンの曲を流すことも多くなりました。

全アルバムの曲をランダムで流していますが、「これいい曲だな」と思って後で調べてみると意外や意外、「Gone Troppo」の曲だったと言うことが何度かありました。

それで「もしかして、このアルバム言うほど駄作じゃなくね?」と思ったわけです。

その後アルバムを通しでじっくり聴いてみましたが、ハッキリ言ってこのアルバムは全く駄作ではなくジョージファンなら必聴のアルバムだと断言できます。

良い曲

それでは個人的に良いと思う曲を挙げていきましょう。

まずは4曲目の「Greece」ですね。

Greeceとはギリシャのことです。

なぜギリシャなのか分かりませんが、まずほのぼのとした南国をイメージさせるイントロから始まります。

いい感じのイントロがしばらく続いてここから歌かと思って聴いていると、さらにイントロが続きます。

そしていつまでも延々イントロが続き、ようやく1分40秒くらいしてから歌と言うか囁きのようなものが若干入ります。

そしてまたイントロに戻っていくという、ジョージにしては珍しい全編ほぼインストゥルメンタルの曲ですね。

しかしほのぼのとして、いつまでも聴いていられるような良い曲です。

次に6曲目の「Mystical One」です。

ジョージがエリッククラプトンに捧げた曲と言う話もありますがそういうことはどうでも良く、とてもきれいでクリアなメロディの曲ですね。

ジョージの歌詞は日本人には聴き取り不可能の曲も多いですが、この曲では全て聴き取れるのもグッドです。

これはジョージファンなら聴くべき曲でしょう。

その他の曲

このアルバムでは、いつも通り捨て曲的なものはひとつもありません。

残りの曲を軽く順番に見ていきます。

まずアルバムのオープニングを飾る「Wake Up My Love」はジョージのベストアルバム「Best of Dark Horse 1976-1989」に収録されていましたから、知っている人も多いかもしれませんね。

イントロのノリからして一見ジョージの曲には聴こえませんが、珍しくアップテンポの曲をシャウトしながら頑張って歌っています。

「That’s The Way It Goes」もベストアルバムに収録されています。

イントロからスライドギターが調子良く鳴っており、歌が終わるたびに待ち切れないと言わんばかりにスライドギターが追いかけてきます。

淡々と落ち着いた曲ですがいまいち盛り上がりに欠けるので、わざわざベストアルバムに入れるほどではないかなと言う印象です。

「I Really Love You」はカバー曲です。

「ステレオズ」と言うグループが1961年にヒットさせた曲のようです。

BGMで流していると、いつも他の人の曲が始まったのかと思ってしまうほどジョージらしい曲ではありません。

突如1950年代に戻ったかのような印象を受けます。

「Gone Troppo」はアルバムタイトルになっている曲で、これもベストアルバムに入っていましたね。

メロディはジョージにしてはなかなかキャッチ―で、いかにも南国という感じがします。

しかしただひたすら明るくて気楽なだけなので、ジョージ特有の渋さが全くないのが少しいまいちですね。

個人的にはあまり惹かれません。

「Unknown Delight」はいつものジョージのような渋い曲ですね。

BGMで聴いていて全く邪魔になりませんが、すごく良い曲とまでは言えませんね。

「Baby Don’t Run Away」もジョージ特有の渋い曲ですね。

サビのところのメロディが好きなので良い曲に選ぼうかと思いましたが、やはりそこまではいかないと思いやめました。

「Dream Away」はジョージにしてはノリがいい曲ですね。

ずっと同じメロディで押していくところもジョージっぽくていいですが、すごく良い曲とまではいきませんかね。

「Circles」は1960年代に出来上がっていた曲らしいですが、ジョージらしく暗い曲です。

ジョージらしいと言えばジョージらしいのですが、そこまでの曲ではありませんね。

ということで、今回は終わりにします。