インデックス投資は一人でひっそりとやるに限ります…。
過度の期待は禁物
必ず儲かるわけではない
まず言っておかなければいけないのは、インデックス投資をしたからと言って必ず儲かるわけではないということです。
確かに過去20年の実績を見ても、常識的な資産配分なら利回り5~7%ほどは期待できそうな気はします。
しかしだからといって、この先もずっとそれが続く保証はどこにもないのです。
どこかのタイミングで世界経済の成長がピタリと止まってしまうかもしれませんし、経済成長が緩やかになって利回り3%になるかもしれません。
下手をしたら世界経済がマイナス成長になって、利回りがマイナスになる可能性すらあります。
それはハッキリ言って誰にも分かりません。
そういうことも理解した上で、インデックス投資を始める必要があります。
短期間で増やしたい人には向かない
あと、短期間でお金を増やしたい人にも向いていません。
インデックス投資では、「今年はずいぶん上がったなー」と思う年でも年利はせいぜい10~20%くらいなものです。
これは仮に100万円投資していたとしても、1年かけて110~120万円くらいにしかならないということです。
もちろんそんな年ばかりではなく、逆にマイナスになる年もあります。
100万円が1年経って95万円に減っていることもざらにあります。
普通に過去の実績通りに利回り6%で推移したとしても、100万円が200万円になるのには約12年かかります。
なので短期でお金を2倍、3倍に増やしたいという人は、他の投資をやった方がいいでしょう。
まあ何にせよ、インデックス投資に過度の期待は禁物です。
老後資金を作るつもりで
インデックス投資の一番の魅力は、複利効果が高いということじゃないでしょうか。
先ほども書きましたが、過去20年のデータから見ても年率平均5~7%くらいの利回りがあります。
ですが、複利効果を生かすには長い時間が必要になります。
インデックス投資を始めてから1年くらいでは、全く複利効果など感じられません。
3年くらいでも目に見える複利効果は現れず、実感としては銀行預金しているのとほとんど同じでしょう。
5年くらい経って、ようやく少しずつ分かってくるのではないでしょうか?
先ほども書きましたが、利回り6%で運用できたとしても2倍になるのに約12年かかります。
複利効果
ただ、複利は期間が長ければ長いほど効果を発揮します。
例えば利回り6%で100万円投資した場合、次のようになります。
金額 | 増える金額 | |
12年後 | 200万円 | +100万円 |
24年後 | 400万円 | +300万円 |
36年後 | 800万円 | +700万円 |
年数が経てば経つほど、同じ期間で増える金額は多くなっていくのが分かります。
これが複利のパワーというやつです。
つまり投資する期間が長ければ長いほど、複利のパワーでお金は増えていくということです。
なのでインデックス投資は、投資する時間が長く取れる老後資金作りに向いていると言っても良いでしょう。
投資したお金はないものと思え
インデックス投資は先ほども書いたように、時間が経てば経つほど複利効果でお金が増えていきます。
複利の仕組み
では複利効果の仕組みはどうなっているのでしょうか?
利回り6%で1万円投資したとして、次の表のようになります。
1年後 | 2年後 | 3年後 | … | 12年後 | |
単利 | 1万0600円 | 1万1200円 | 1万1800円 | … | 1万7200円 |
複利 | 1万0600円 | 1万1236円 | 1万1910円 | … | 2万0122円 |
単利の方は、増えたお金を毎年全て使ってしまいます。
すると元本はずっと1万円のままなので、いつまで経っても毎年600円ずつしか増えません。
複利の方は、増えたお金を使わずにそのまま再投資します。
すると元本が毎年少しずつ増えていき、増えるお金も600円から毎年徐々に増えていきます。
その結果、2年後や3年後は単利とあまり変わりませんが12年後には3000円ほど差が付いています。
増えたお金は使えない
複利効果のパワーは分かったと思いますが、ひとつ問題があります。
それは増えたお金が使えないということです。
単利なら毎年600円使えたのですが、複利の場合は全て再投資しなければいけません。
ということは、投資を続けている間はいくら増えても1円も使えないということです。
まあ別に使ってもいいんですけどね、その代わり複利のパワーは落ちてしまいます。
ということで、投資したお金は引退するまで使えないと覚悟しておく必要があります。
先月少し小遣いを使い過ぎたからと言って、簡単に取り崩してはいけません。
「投資したお金はないものと思え」です。
誰にも言わない方がいい
あなたが平和にインデックス投資を始めたいなら、誰にも言わない方がいいでしょう。
もしうっかり口を滑らせたりしたら、ほぼ全ての人から否定されると思った方が無難です。
その理由は、日本では「投資は悪」だと思われているからです。
日本では全ての国民が「金儲けをするのは悪いこと」とか「お金は汗水たらして働いて稼ぐもの」と教育されています。
もちろんその認識は間違っています。
しかし、ほとんどの人がそう考えていると思って良いでしょう。
なので、わざわざ否定されるようなことを言う必要はありません。
もしバレてしまった時は、「そうかもね」「もう少し考えてみる」などと軽く流しておけばOKです。
間違っても「説得してやろう」などと思ってはいけません。
そういう人たちはハナから聞く耳など持っておらず、投資のことなど少しも理解しようとはしませんからね。
全く議論がかみ合わず、永遠に平行線を辿るのは目に見えています…。
ということで、インデックス投資を始める時は誰にも言わない方が幸せです。
始めてからも言わない方がいい
インデックス投資を始めてからも、基本的には黙っておく方が良いでしょう。
もし含み損を抱えている時にでも見つかったら大変です。
それはもう鬼の首を取ったように、「ほら、やっぱりね」とか「だから言ったでしょ」などと言われます。
では含み益が出ている時はどうかというと、その時も黙っておいた方がいいでしょう。
「そんなのは今だけだ」とか「暴落が来る前に売った方がいい」などと言われるに決まっていますからね…。
とにかくこの世の中には、ろくに勉強もせずに「投資は悪」と思っている人が多すぎます。
なので、どれだけ儲かっていようが黙っているのが正解です。
ということで、今回は終わりにします。